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川が好き。山も好き。
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もう7月!どうにも物忘れ著しくなり、書くことを大事にしてゆきたい今日この頃です。

 5月13日は歌集『にず』を読む会でした。会場のシルバーセンターに着き、催しの案内板を見ると「歌集『みず』を読む会」と表示されていました。ガーン。表示名については電話で「ひらがなで『にず』です」とお伝えしていたのですが、聞き慣れない言葉ではあるので聞き誤ってしまうのもしょうがない。わたしも電話応対の仕事をしていて変わった響きのお名前を聞き違えてしまうことがよくあるので人を責められたものではないですし、間違えられたところであまり気にする性格でもなく、ひとネタできたぐらいの心持ちです。他の参加者の方々もまあ笑ってくれるでしょう。
 鍵を受け取りに事務室に赴くと、職員の方が先に「虹が訛って『にず』ですよね、すみません今から直します」と気づいてくださっていました。何かしらでお調べいただいたのでしょうか。かえってお手数おかけしてしまって恐縮でした。

 歌集タイトルにちなんで、前半の歌会のテーマ詠は方言詠み込みの歌にしました。参加者は東北の方が多めですが、出身地がそれぞれのため北から南から様々な言葉が集まり、日本語のおもしろさ、奥深さを感じました。わたしは「んだ」なんていうベッタベタな東北弁を読み込んだ歌を提出してしまいましたが、他にはまるで「読み解かれてたまるか!」とでもいうようにディープな言葉が持ち寄られていたのがとても興味深かったです。余所の地域の人には伝わりにくい言葉だからこそ大事にしたい、というような心でしょうか。方言は辞書に載っていないものも多く、意味の読み取れないまま想像を働かせて評をするといった相当に異色の歌会になりましたが、楽しかったです。こんな歌会は歌集の読む会の余興だからこそできたような気がします。

 歌集を読む会は、皆さんに3首選を提出していただく形式でした。好きな歌や良い歌の3首選だとただただ賞賛を浴びるだけになってしまい、会としておもしろくないのではという懸念と、わたしもあまり自分が褒められる状況は慣れてなくて居心地が悪くなって逃げたくなってしまうので、どうしたものか相談したところ、キャッチフレーズを考えてそれを元に3首という提案をいただきました。試しに自分でも考えてみて「難しいな」と悶えましたが、ちょうどわたしの歌集には帯がないので帯をつくるような感覚で言葉を選んでいただけたのではないかと思っています。おかげさまで、様々な切り口で歌集を読んでいただけてありがたかったです。
 客観性についての指摘が一番多かったのですが、他には古風でベタなしあわせ感、歌の評ではなく生き方の評になってしまいそうになるということ、さらけ出しっぷり、大勢の主流に乗れないわたし、歌の並べ方・置き方、リフレイン、他者との距離、食べ物の歌の多さ、批評性、仮想敵、独特なユーモア、タイトルに関係する歌が少ない、といったことなどが話題にあがりました。あたたかい言葉も厳しい言葉もとてもうれしく、糧にして今後の歌作に活かしてゆきたいです。
 わたしは歌と自分との距離が近いからか、作者としては向き合うのがしんどいときもある歌集ではあるのですが、刊行から3年ほど経ってこうして読む会を開けたり、時々いろんなところで引いていただけたりもして、しあわせな歌集だとしみじみ感じております。

 花束を二ついただきました。翌日が母の日で実家に帰る予定もあったので、ほどいて小さな花束を作り、母におすそ分けしました。ドライフラワーと押し花も作りました。会からひと月半過ぎてドライフラワーは良い感じに部屋を飾ってくれています。押し花はなにか活用できないか考え中です。

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おとも
性別:
女性
自己紹介:
短歌とか映画とかこけしとか。
歌集『にず』(2020年/現代短歌社/¥2000)

連絡・問い合わせ:
tomomita★sage.ocn.ne.jp
(★を@に変えてお送りください)
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