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川が好き。山も好き。
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オフィスビル中の自販機ことごとくリアルコールド売り切れている

  残業だ「働くママ☆」がお子さんの都合で今日も欠勤だから

  弁当を食べればラップが残るなり冷凍保存してたご飯の

  電柱の根元にタンポポ咲いていて 生命保険審査に落ちる

  生活保護ってどうなのかなとつぶやけば女友達やたらくわしい

  先生とわたしも呼ばれたことがある きゅうしょくしつのたみや先生
 
  五合炊き炊飯器にて五合炊く すべてわたしが食べる白米

     *

  「申し訳ございません」を今日何度言っただろうか機械のように

  頭髪の薄くメガネをかけている人を「メガネの人」と呼びおり

  死ぬのかと思う職場を出た後の透明さにて街を歩けば

  三連休わたしの休みは一日で雨降る中を映画見に行く

  東北の女性を東北出身の監督が描くならば信じる
  
  震災ののちを生きゆく独身の女性の映画に一人客多し

  ベランダに十九の蕾この夏に十九の花が開くしあわせ

     *

  寂しいな 人に会っても寂しいし人にキュウリをもらっても寂しい

  身の内にわたしの穿った洞があり生ぬるい水が溜まっています

  根は明るい人だと吹聴されてもう笑うしかないいつものように

  教え子を二人孕ませ不倫までするから与謝野鉄幹きらい

  ひと玉のキャベツを買えばそれだけでしあわせであるような日曜

  ありがとうだけでは生きてゆけないね紐を引かねば点かない灯かり

  ぬばたまの乳がん検診ゼラチンは乾物入れに残してあった

  しあわせな人生でした朝昼晩ご飯を食べて服着たりして


***

 選歌欄評にて木村さんより7月号ガールズトークの歌の評をいただきました。自分なりの震災詠をこれからも詠んでゆこうと思います。

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嘘ならばさいていな嘘、嘘でないならさいていなひとだよ四月

  一人では来たことのない部屋だから呼び鈴そういや押したことない

  ボタン付けわたしにさせたワイシャツも一緒に引越ししていったかな

  転勤でこの街に来たひとゆえに転勤でこの街を去りゆく

  踏切を快速電車が通り過ぐ 言葉でちゃんと傷つけてほしい

  笑うしかなくて笑えば笑う人、泣く人、泣かせてくれる人あり

  この話はこれでおしまい歩き出すための新たな靴を購う

***

 3首目の歌を百葉集に採っていただきました。ありがたいです。

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六年ののちに初めて訪えば復興商店街のない町

  ここまでを津波が来たという線が新しい自動販売機の上に

  しあわせな友のしあわせな悩みなど聞きつつ海鮮丼がおいしい

  春の海に陽は反射して少しだけふしあわせなわたしをも照らす

  いつか水に沈んだ道を歩きゆくガールズトークなんてしながら

  石巻こけしと帰る待つ人のない仙台の安アパートへ

***

 塔短歌会賞・塔新人賞発表号でした。わたしの応募作「わたしの町を君の町を」は塔新人賞候補作でした。うれしいです!

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この冬にビニールハウスを得て母はほうれん草を植えはじめたり

  農村に韓国人が嫁に来て隣りの町にスナックを開く

  平日の公休なれば鶏ムネ肉をバッグに入れたままで図書館

  カルピスを牛乳で割るぜいたくを時々はして元気でいます

  真夜中の君のメールは真夜中のわたしの心と暮らしを照らす

  次なんてないかもしれないなんてことあの三月に知ったはずなのに

  待っているような待たれているような春の日われは半跏思惟像

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夜の街の昼の時間は夜の人が眠れる時間 鈴を鳴らすよ

  夜の街の雑居ビルにて白衣なる人はわたしの一回り上

  家族にもお友達にも恋人にも話せぬことの風船の色

  手に取ったお菓子の数やコーヒーの濃さも診断材料めいて

  とろとろと過ぎゆく午後の国分町に心の内を吐かされている

  好きだった理由を言えば言うほどに 愛は理由がないという窓

  ミルク二つ砂糖二つのコーヒーが冷えるまで泣く猫に見られる

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問診票<現在妊娠中である>①はい②いいえ③わからない

  採血のアルコール消毒に染まりゆく左腕なり冬の診察室

  しばらくは経過観察とはいえど赤い数値を抱え雪道

  診療の帰りに寄った図書館の松村由利子『子育てをうたう』

  元恋人の姓とわたしの名をつなげググったら出てくる犯罪者

  18ℓの灯油を持って歩く道がどこまでもどこまでも延びゆく

  うさぎりんごも木の葉りんごも得意なり なれど自分のためには剥かず

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カレンダー一枚残し破る時の長袖からはみ出す手の温度

  この冬に女二人で行く山の縁切り寺の郵便ポスト

  地下鉄の窓に映れる新しい髪形が全然似合わない

  いつまでもわたしが待っているなんて思わないでね 駅に雪片

  もう遠くなりたるひとを万華鏡のぞくみたいに思い出しおり

  泣き浸り飯坂温泉に目覚めれば佐藤*子に眉毛切られる

  ベランダに干した大根ほそりゆきたり この冬も一人で生きる

  繋がった縁かと思う山雪に縁切り寺への予定が飛べば

***

 (個人情報に配慮して伏字にしました。)

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腋の毛が半袖シャツからはみ出している恋人と夏を過ごさず

  一人という家庭のかたち日曜のベランダに干す一つの枕

  日曜の午後四時過ぎに地震くるジャガイモ五つ茹でていた時

  待ってとも待たないでとも言われずに過ぎてゆく秋コンビニへ寄る

  いちぢくの味も知らずに三度目の本厄を生きゆくわたしなり

  くちづけがしたい月夜の帰り道にわたしが拒んだ梅雨の続きの

***

 12月号選歌欄評にて、こうこさんに「付き添いはいません」の歌を取り上げていただきました。ご一緒している歌会などでも、評を受けてあらためて気づかされることもあり、ありがたいです。

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なにごともなかったように君が来て守られている夏の約束

  助手席のシートを直す 足の長い誰かの座った季節を直す

  求められなければ裏磐梯のペンションの宿帳に書く名前は一つ

  ケンカしたこともないのに仲直りしたいと思う線香花火

  リターントゥティファニー胸に刻ませて今その意味がよくわからない

  「またね!」って帰り際言う「さよなら」と先に君から告げられぬよう



***

 この小旅行の帰り、カーラジオからオフコースの「秋の気配」が流れてきたことをよく覚えています、まるで自分がドラマの中にいて、挿入歌が流れてきたようで。2首目の助手席の歌を百葉集に採っていただきました。うれしいです。

 11月号選歌欄評で、永久保さんに逢引きの誘いを蹴って歌会へ行く歌の評をいただきました。偶然でしょうけれど、まさにその歌会でご一緒しました。

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救急車を呼んでくれたり通りすがりのお仕事中の介護士さんが

  救急車に運ばれながら案じるは上下ばらばらなる下着のこと

  「付き添いはいません」と連絡される声の繰り返されて さびしい

  病歴を答えるときに濁したく思う自分の心に気づく

  寛解し薬も飲んでないんです今は大丈夫です本当に

  入院費を出せないゆえに入院の勧めを遠慮する白い部屋

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短歌とか詩とか本とか。
(文末の短歌は既作から拾ってくるので本文と直接は繋がってなかったりもしますよ。)
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