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川が好き。山も好き。
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京マチ子映画祭を観に行ってきていたのでした。ほんとうは『羅生門』とかもっといっぱい観たかったのですが、休みの都合などもあり、とりあえず2本です。

『流転の王妃』1960年公開。監督は田中絹代さん、出演は京マチ子さん、船越英二さんなど。原作は愛新覚羅浩の自伝。満州国の皇帝の弟・愛新覚羅溥傑と結婚し、終戦後に流転の日々を送った日本人女性です。学校の授業でも習った覚えがあるので歴史の人のような印象でしたが、わたしと生きている時代が重なっていたりして、そんなに遠い昔じゃないということに今さらびっくりしました。
 脚色が入っているとはいえ、実際にあったことなので、歴史のお勉強のように興味深く観ました。満州という国があったということを、いろいろ考えてみたい気がします。節子皇太后がシルエットでもなく普通に登場人物として顔まるだしでべらべらしゃべっているのが結構びっくりしました。天皇皇后と同じくらい皇太后の存在感のあった時代なのだなあ。王妃時代のゴージャスな衣装が京マチ子さんにとても似合っていました。 

『赤線の灯は消えず』1958年公開。監督は田中重雄さん、出演は京マチ子さん、野添ひとみさん、根上淳さん、船越英二さんなど。音楽は次の次のNHK朝ドラの古関裕而さん。福島歌会に赴くたびに駅前の古関裕而像を見ているので気になる存在になってしまった、これがいわゆる単純接触効果というものなのでしょう。
 売春禁止法が施行されたため、売春婦達が就職活動をする話。これもやっぱりわたしが赤線が廃止されている時代に生まれているので、歴史のお勉強のように観てしまいました。ナレーションが独特なせいもあるかもしれません。この時代の女性がこういう仕事に墜ちてしまうのには、人身売買のようなどうしようもない背景があったのでしょうか。まっとうに生きようとあがいてもあがいてもうまくゆかない様がとてもくるしい。世間の目も冷たいものです。まるで人権がないかのように扱われている場面はとても悲しく見えました。
 ハンカチで汗を拭くしぐさがとても印象的でした。顔だけじゃなく首やデコルテを拭くシーンが何度も出てきます。暑い日本の夏です。

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短歌とか映画とかこけしとか。
歌集『にず』(2020年/現代短歌社/¥2000)

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