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川が好き。山も好き。
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先日は甥っ子の四歳の誕生日だったので、タンバリンを送りました。妹からお礼の電話が来て、「喜んでる?」と聞くまでもなく、受話器向こうからシャンシャンパンパンと音が聴こえてきます。

 わたしは人を呼び捨てにすることが苦手なので、妹と弟しか呼び捨てで呼んだことがなかったのですが、甥っ子のことは自然に最初から呼び捨てで呼んでいました。甥っ子は妹や妹の旦那さんにはニックネームで呼ばれているし、母や他の親戚、周囲の人からは君・ちゃん付けで呼ばれているようだし、わたしにしか呼び捨てで呼ばれていないような気がしています。

 少し前、野球の応援歌の歌詞の「おまえ」が不適切だと自粛のニュースがありました。繊細過ぎやしないかなあ、と思いながらも、よくよく考えたらわたしも人に「おまえ」なんて呼ばれるのは気分が悪いし、同じように感じる野球選手がいるのも当然なのかもしれません。野球選手なんだから、男性なんだからそれくらい、なんていうのは今の時代ではきっと差別やハラスメントにあたるのでしょう。
 わたしが「おまえ」と呼ばれても気にならないのは、昔からそう呼ぶのが当たり前になっている親や祖母、地元の地域の目上の人くらいです。地元は母世代だと女性でも「おれ」と言うような荒っぽい方言なので気にならないのかもしれません。そういうところで育っているせいか、わたしも妹や弟、犬だけは「おまえ」と呼んでいました。自分の普段の言葉からは出て来ない単語なので、たった3件とはいえわたしが「おまえ」と言うなんて、と今さら自分でびっくりしてしまって不思議なのですが、沁み込んだ方言は勝手に出てしまうのでどうしようもないのでした。
 甥っ子のことも「おまえ」と自然に呼んでいました。妹や甥っ子は関東方面に居るので地元ではないし、年に1回会うか会わないかぐらいですが、身内の目下の者だと認識しているのか、もしかしたら犬のように思っているのでは、と自分の深層心理も興味深いです。尤も、関東で今の時代を生きる甥っ子からしたら「失礼なおばちゃんだなあ」と思われるかもしれません。

 甥っ子が電話口に出て「ありがとう」と言いました。と、いうより言わせられている気配もするのですが、続けて「気に入った」とも言いました。「気に入った」なんていう言い回しを、四歳児がするかなあと首を傾げたくなりましたが、ちょっとおもしろかったのでそれはそれで素直に受け取ることにします。

  恋人を「おまえ」って呼ぶ女子高生と二〇時のバス停に列なる

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自己紹介:
短歌とか映画とかこけしとか。
歌集『にず』(2020年/現代短歌社/¥2000)

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