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川が好き。山も好き。
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『茜色に焼かれる』を観てきました。監督・脚本・編集は石井裕也さん、出演は尾野真千子さん、和田庵さん、片山友希さん、オダギリジョーさん、永瀬正敏さんなど。
 7年前に交通事故で夫を亡くしシングルマザーになった主人公・田中良子がコロナ禍の今を理不尽な目に遭いながら生きる話、なんてまとめ過ぎると身も蓋もないのですが、じわじわくる映画でした。お金を使った時、稼いだ時にいちいち金額が表示されるのが現実的です。
 しんどいことは次々に起こるのですが、特別な物語の悲劇のヒロインというわけでもなく、世の中で誰かが受けているような災難です。事故の加害者が上級国民で罪を免れていたりするのはつい先日のニュースで見たし(例の事件をモデルにしているのだろうけれども)、仕事のパワハラはわたしにも経験があります。様々なことを自分を演じながら受け流して生きてゆく田中良子に「怒っていいんですよ」と声をかける同僚のケイちゃんこそ生い立ちからなにから壮絶。他人から見たら壮絶でも、生まれた時からその渦中にいれば、それがその人にとっての普通として麻痺してしまうものなのでしょうか。わたしはこのケイちゃんがとても魅力的でいとおしく思いました。不慮の死を遂げた夫の人柄もなんともいえず人間くさく、それゆえ残された者に厄介ごとがのしかかったりもします。社会的弱者側に寄せた話ですが、だからといって立場の弱い者が必ずしも清廉潔白ではないあたりのリアルさも好きでした。
 息子がランニングシャツ姿だと筋肉質で、こんなにたくましい体つきでもいじめられるのかとちょっと気になりました。二の腕は隠してもやしっ子に見せた方がよかったのでは、と思いつつ、よく考えたらいじめられっ子らしい体形などと一般的なイメージを抱く方が変なことなのかもしれません。
 主題歌のGOING UNDER GROUND「ハートビート」は、わたしが20代の頃にラジオでよく流れていたような気がします。微妙な懐かしさと、一定のリズムを刻み続けるような淡々としたビート感が、よくわからないけれども、これからも日々が続いてゆくということを思わせていいような気もしました。

  公式サイト→https://akaneiro-movie.com/

 帰り道、書店の文具コーナーで「紙モノいろいろお宝袋」とパッケージされたものを買いました。在庫処分の寄せ集めかもしれないのですが、レターセットや一筆箋、メモや付箋がたくさん入っていてお買い得でした。お手紙書きたいです。¥1100(観てきた映画ふうに金額を表現してみる)

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おとも
性別:
女性
自己紹介:
短歌とか映画とかこけしとか。
歌集『にず』(2020年/現代短歌社/¥2000)

連絡・問い合わせ:
tomomita★sage.ocn.ne.jp
(★を@に変えてお送りください)
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