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仙台メディアテークにて「夏目漱石~その魅力と周辺の人々」の展示を観てきました。開催期間が2017年11月3日(金)から2017年11月14日(火)までととても短いですが、これで入場料無料っていうのは良心的。生原稿や書簡なども見られて良かったです。とりわけお嬢様に宛てた鶏の絵ハガキとか、土井晩翠宛ての自画像付きハガキが微笑ましい。ポスターやチラシがイケメン風な漫画絵なのが個人的には好ましくないのですが、集客効果を狙ってのものなのでしょうか…。夏目漱石を最近読み耽っていたので、とてもタイムリーでした。

 夏目漱石はこれまで『坊っちゃん』(読書感想文もかきました)、『三四郎』、教科書で『こころ』の一部を読んでいたのですが、ここ数月で『それから』『門』『道草』『彼岸過迄』を読んで、今は『明暗』を読んでいます。『それから』は特に続きが気になって夢中で読み進めたし、自伝的な『道草』も興味深かったです。主人公の健三と細君の距離感がなんとも。
 この数月の間でNHKで「夏目漱石の妻」が再放送されたのもとてもうれしかったのでした。生誕150周年ですしね。リアルタイムでも見ていましたが、より楽しめました。長谷川博己さん、和服が似合いますね!
 漱石漬けだったわけではなく、間に川端康成『愛する人たち』を挟んだりもしました。これも読みやすくて良かったけれど、時代のせいもあってか少し男性目線が強いような気もしました。

 吉田修一『横道世之介』がなんとなく『三四郎』っぽいなと思って(大学のために上京という出だしがそう思わせるのでしょう)なんとなく再読し、続編と言われている『それから』を読んでみたくなったのがきっかけでした。
 あともう一つ、今さら未練も全くないですが元々恋人が夏目漱石を全部読んだという人でした。そして、元恋人とも夏目漱石の話で意気投合したのが始まりです。これは偏り過ぎでしょう。なぜ似たようなことが続くのか、夏目漱石を読むことで何かが見えてくるのではないか、と思いました。自己分析のような心持ちです。けれども、そんな当初の目論見はどうでもよくなっていて、今はただ単純におもしろいなあと読んでいます。そりゃあ夏目漱石は正岡子規と親友で、わたしはアララギ系譜の塔短歌会所属だから、おもしろく思わないはずがないのでした。ああ、でも漱石も解説を寄せている長塚節の『土』は、なんというか。

 メディアテークでは今、「細倉を記録した寺崎英子のまなざし展」という写真展もやっていて、これもとても良かったです。宮城県北西部の鉱山閉鎖に伴う人々の暮らしの記録。こういう何気ない写真はほんとうに胸に届くものがあります。美しい光景とかそういうことではなくて、ここでこうして日常があったという記録性。

 久しぶりに通った定禅寺通りはきれいに紅葉していて、落ち葉の中を歩きました。これがあとひと月後には裸木になり、イルミネーションで彩られるのだなあと思えば、なんだかあっというまです。


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自己紹介:
短歌とか映画とかこけしとか。
歌集『にず』(2020年/現代短歌社/¥2000)

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