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一〇〇〇円の時には受けたオプションの乳がん検診今年は付けず  「踵を上げて」/現代短歌2021年5月号

 オプション料金が以前より高くなっていたので、定期健康診断ではスキップしてしまいましたが、その後、一定の年齢につき市から無料クーポンをいただいたので、検査してきました。夏に申し込んで検診日が年明けなのだから、よっぽどたくさんの人が受けているのでしょうか。廊下の待合椅子には他にも何人か順番待ちをしていて、ここにいるみんなが同じ年齢の女性なのかと思うと、なにか不思議な気がしてきます。待ち時間に『女性とジェンダーと短歌』を読みました。持ち運びやすいソフトカバーの本を、と選んでバッグに入れてきただけだったのに、よく考えたらなんだかつきすぎです。

 これまでただ寝てるだけのエコー検査は受けたことがあったのですが、マンモグラフィーは初めてです。「手を上げてくださ~い」「肩を合わせますね~」と女医さんに指示を受けながら、「右のお胸は押さえてもらってていいですか~」といったふうに、乳房は「お胸」と呼ばれるのになにかおかしみを感じました。
 短歌では当たり前のように詠われていても、わたしは実際に「乳房」などと日常会話で声に出して言うことはないし、人が言っているのを聞いたこともありません。これは書き言葉だな、とあらためて確信しました。以前、女性主人公の一人称で進む小説で「私の乳房に」みたいな表現を見た時も違和感を覚えたのでした。「私の――」って、モノローグだとしてもそんなふうに自分の体を言う人いるかな。いるのかもしれないけれど。これが三人称で「彼女の――」「○○(名前)の――」であれば全く気にならないのに。
 手を「お手て」、肩を「お肩」と丁寧に言う以上に、「お胸」に漂う丁寧さはなんなのでしょう。痛くされるからなのでしょうか。まだ痛いです。

 検査が終わって階段を降りていたら、エレベーターを待つ車椅子のおばあちゃんと若い男性職員の優しい会話が聴こえました。わたしの祖母もあんなふうに優しくしてもらえているといいな、と思いながら病院を後にしました。

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おとも
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自己紹介:
短歌とか映画とかこけしとか。
歌集『にず』(2020年/現代短歌社/¥2000)

連絡・問い合わせ:
tomomita★sage.ocn.ne.jp
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