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川が好き。山も好き。
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映画『紅花の守り人』を観てきました。佐藤広一監督による、紅花をめぐるドキュメンタリーです。紅花に思い入れがあり、地元ニュースなどでこの映画の情報を得てから絶対に観たいと思っていたところ、音楽を担当された小関佳宏さんのミニコンサートと舞台挨拶付きの上映日と都合が合いました。

  ベランダに十九の蕾この夏に十九の花がひらく慰み

 歌集『にず』にも収録したこの歌は、紅花を詠んだものでした。町役場から種をもらって育てました。花は紅餅を作って紅花染めをしたかったけれど、量が足りなかったので、紅花ご飯にして食べました。
 ふるさとの県の花だからなじみ深いというのもあるけれど、見た目の形や色も好き。紅花モチーフのおみやげものも、ゆるキャラ「はながたベニちゃん」もかわいい。
 
 映画のナレーターは今井美樹さん。『おもひでぽろぽろ』のタエ子があれからずっと山形にいるのだという裏設定があるとかないとか。あの映画ももう30年前だけれど、あの頃描かれた紅花摘みの光景が今も変わらずにありました。民謡の「紅花摘み唄」「最上川舟歌」などもとても沁みてきます。
 シルクロードを渡って伝わってきた紅花が山形に根付き、染料の原料として紅餅に加工されて、舟で京都へ運ばれて――といった江戸時代の歴史については知っていたのですが、今でも紅花染めは大切にされていて、いろいろな人が様々な形で関わって紅花の文化が守られているということがうれしくなりました。わたしの頃と同じように、小学生の子供達が紅花栽培から紅餅作り、紅花染めの実習をしているのもなつかしかったです。俳人の黛まどかさんも紅花摘み体験をされて紅花の句について語っていました。
 観賞用や染物だけでなく、花や若葉は食べることもできます。様々な料理が紹介され、パンフレットにはレシピも載っていました。外国から伝わってきた紅花なのに、今となっては他の国では種から紅花油を取るばかりで、こんなに活用して技術が受け継がれているのは日本だけ、ということは初めて知りました。
 わたし個人の郷愁だけでなく、紅花という花の奥深さにロマンがあり、なぜ人々がこんなに紅花に惹かれるのかわかった気がします。わたしも紅花の守り人になりたくなりました。とりあえず、わたしは紅花の短歌をもっと詠んでゆきましょうか。
 
 上映後の舞台挨拶では、監督や出演者の方々の紅花愛の伝わるお話を聞かせていただきました。ギターのコンサートもすてきでした。何もない田舎で何もできないと思って外に出たけれど、山形はこの頃とても熱いように感じます。




公式サイト→https://benibana-no-moribito.amebaownd.com/

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HN:
おとも
性別:
女性
自己紹介:
短歌とか映画とかこけしとか。
歌集『にず』(2020年/現代短歌社/¥2000)

連絡・問い合わせ:
tomomita★sage.ocn.ne.jp
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