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川が好き。山も好き。
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昨日は髪を切ってきました。どうも8か月ぶりの美容院だったようで、伸び放題だったのがだいぶすっきりしました。「次は3か月後くらいに来てくださいね」と言われ、自分のだらしなさに身の置きどころのないような思いがしました。いまいち自分が垢抜けないのは、髪に無頓着すぎるのも要因の一つなのかもしれません。だいたいわたしはカットのみをお願いすることが多いのですが、美容院のメニューときたら多岐に渡っていて、みんなカラーやパーマ、スペシャルなトリートメントなども施術するのが一般的なんだろうか、カットしかしていないのなんてわたしだけではないのか、ケチな客だと思われているんじゃないか。
 ぐるぐる考えながら、ふと震災の頃は「シャンプー500円」と窓に貼っている美容院がたくさんあったことを思い出しました。4月半ばまで市ガスが止まっていてお湯が使えないので、髪を切るどころか髪を洗うことすらできない人がとても多かったのです。尤も、わたしの自宅はプロパンガスなので、震災の一週間後には復旧していて、美容院に髪を洗いに行く必要もなかったのでした。そのように、しんどいようなわたしの人生の中でも「運が良かったなあ」と感じることはたくさんあって、思えば髪が生まれつき直毛でストレートパーマや縮毛矯正が不要なこともその一つなのでした。

 ここ数日、震災のドキュメンタリーをよく見ています。新しく撮られたものの他に、深夜に放映されている数年前の再放送も見ます。震災の映像、大きな揺れや、津波がすごく怖い。ここ数年、というか特に今年は涙の出るくらい恐ろしく感じていて、自分の感覚の変化にびっくりしています。再放送なんて、数年前に本放送で見た当時はここまで恐怖を覚えなかったのに。震災直後の生活の不安や失職、病気など、自分の震災でいっぱいいっぱいのうちは、大きな被害への恐怖心が麻痺していたのでしょうか。何度も見たことのある映像も、初めて見たように怖くてつらい。10年経ってわたしの震災はほとんど片付いたからこそ、新しく今2011年3月11日と出会っているのかもしれません。

 東日本大震災から10年目の今日は普通に仕事で、14時26分に黙祷した以外は、普通に過ぎました。普通に過ごせることが、あらためてありがたく思います。
 仕事の帰り、一番町で『3.11希望の光』と題したライトアップを通り過ぎました。上空に向けた強い光は天に届くようにまっすぐ伸びて、遠くから見れば一本の柱のようで、なんだか泣きたくなりました。


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おとも
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女性
自己紹介:
短歌とか映画とかこけしとか。
歌集『にず』(2020年/現代短歌社/¥2000)

連絡・問い合わせ:
tomomita★sage.ocn.ne.jp
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