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川が好き。
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妹が甥っ子を連れてしばらく帰省するというので、週末だけですがわたしも実家に帰ってみました。祖母がショートステイで居なかったので全員集合とはなりませんでしたが、にぎやかなものです。
 およそ一年ぶりに会う甥っ子は3歳になったばかり、もうすっかりおしゃべりさんで、ドラマを見て覚えたらしい「90年代の3大死亡原因の1位は?」「アウス(人工妊娠中絶)」などという怖ろしい会話をくり返します。それなのに、わたしにはあいさつも返してくれなくて、人見知りしてるのかな~と思っていたら、指を差され「この人やだ」と言われてしまいました。「ママはいいけど」と付け加えられたので、妹と似ているわたしが偽ママのように気味悪く見えるのかもしれません。
 いじけたわたしは犬の散歩に農道へ行くのでした。山に向かって歩いていると、犬好きの近所のおじいちゃんが犬をわしゃわしゃしに畑から出て来てくれました。以前、短歌の故郷の描写ををステレオタイプだと評されたことがあったのですが、実際に、ステレオタイプな田舎だな、と帰省のつど感じます。山があって、田んぼや畑があって、年寄りばかりで、言葉が訛っていて、朝はニワトリが鳴いて。

 実家のわたしの部屋に、高校時代の現代国語の教科書がありました。授業では一切触れられずにスルーした、佐佐木幸綱さんによる茂吉と空穂の雪の詠い方についての評論は、今読むととてもおもしろいです。当時、国語の先生は短歌俳句を飛ばしましたが、日本史の先生が短歌好きで、日本史のテストに「大仏建立を短歌にしなさい」などというむちゃくちゃな問題が出されたりしたものです。
 他に堀辰雄「曠野」などただでさえしんどい話なのに、学習の手引きに「女」のような生き方をどう思うか、などという問いがあって刺さります。落ちぶれて相思の夫から身を引き、夫を思いつつひとところにずっと暮らし続けるも、不本意ながら郡司の息子に婢女として連れられてしまう、自分の気持ちに蓋をするゆえに落ちていってしまうの「曠野」のふしあわせな女は、わたしでした。

 そろばんの先生がわたしに会いたがっていると聞いたので、会いに行ってきました。生まれた時から知っている人ですが、実家は近所なのに3年ぶりくらいに会った気もします。人生の心配をされました。
 そろばんの先生には何番目かのお孫さんが生まれたようで、壁に命名の紙が貼ってありました。その名前が一発で読めて、漢字もわかりやすく説明もしやすい、意味も良い名前で、いいなあと思いました。甥っ子の難解な漢字で変な響きのキラキラネームとは大違いです。あの子は将来、習字の授業で自分の名前を書く時に筆で字が潰れてしまうことでしょう、かわいそうに。

 帰りは一寸亭本店の肉中華を食べました。やっぱりここの汁が好き。さっぱりしているのに卵の黄身のような味わいです。

  日の影が移りゆくたび日の影に犬はおりたり犬小屋の前

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