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川が好き。
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わたしが少しだけ在籍していた最後に仕事をしていた現場は、閉鎖的な部署で、口にするのが憚られるような下品な下ネタが横行するような人達が集っていて、それが休憩時間のみならず仕事中もそうなので気持ち悪かった。女性しか居ないから変に生々しくてえげつなくて、仕事なのだと割り切っていてもそんな現場にいるのが気持ち悪くて仕方がなかった。そうした空気に馴染めなかったこともあって、わたしの体調も悪化していった。この世にはいろいろな人がいるのだとはいえ、合わない職場だったと思う。

 本部の方と、事務処理等で今でも少し書面のやり取りがある。仕事の現場は一緒でなく、本部から事務処理の際だけに来ていただいてご一緒した女性上司。最終勤務日、というよりはわたしの体調が良くなくこれ以上勤務できる状態ではないという話し合いの際、ちょっとした空いた時間に、初めて雑談をした。お互い読書が趣味であることがわかり、意気投合した。彼女は湊かなえさんの小説が好きだと言い、わたしは『告白』の原作も読んで映画も見ていたので、ひとしきり盛り上がった。わたしは好きな作家を聞かれて、角田光代さんと答えた。わたしは短編集が好きなのだけど、映画化もされた『八日目の蝉』が有名だということでお勧めした。「普段は事務処理に追われているから、こんなふうに職場で本の話ができるのがうれしい」と彼女は微笑んでいた。
 それ以来、退職にまつわる書類、諸々の手当ての手続きの書類、等々事務書類が彼女から送られて来る度に、事務的な文書の後に「読んでみました」「お勧めです」「映画化嬉しいですね」といったような本にまつわる追伸が書いてあって、わたしも事務書類を送る際に返して、なんだかそんなことが、うれしい。好きな話をできることもうれしいし、気遣っていただけていることもうれしい。

 こうした方と一緒の現場で仕事ができていたら、休職や退職をすることもなかったかもしなれい、なんて思ったりする。人間関係は仕事をするうえで大きく影響するから。下ネタが大好きな人はわたしのいた部署で水を得た魚のように輝くのだろうし、わたしは本が好きで語り合える人が職場にいれば、気の持ちようで体調も悪化せず仕事に行くのも楽しかったと思う。現に、別な仕事をしていた頃、一緒だった方々とは本の貸し借りもできて、わたし以外の人をも何人も潰したクラッシャー上司が現れるまでは楽しかった。仕事は社会人として稼ぎに行くことろでもあるけれど、どんなに好きな仕事でも、ふとした職場環境の要因で崩れてしまう。好きな仕事で、自分に向いていて、人間関係が良好で、環境が良い、そんな仕事に就けたらいいのだけれど。お給料はそんなに欲張らないから。

  本を読むひと、と答えるれに好きなタイプを聞かれた時は

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