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川が好き。山も好き。
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今日の早朝に震度4の地震がありました。3月の時みたいに本棚が倒れてこないように全身を使って必死で抑えながら、まるで船に乗っているような揺れだと思いました。夏の地震は薄着なのが怖いです。何かが落ちてきたりぶつけたりした時に体に傷ができやすく、3月の地震でも生足だったところに擦り傷や大きな痣ができてなかなか治らなかったものでした。
 3月16日の深夜に大きな地震があり、部屋の中がめちゃくちゃになってしまい、それからずっとどこか途方に暮れております。11年前の東日本大震災の時でさえ数週間後には人を呼べるくらいには片付けられたけれど、今回はもうまったく気力が湧かず。あの頃よりも部屋に物が増えたから、という単純な理由でもなくて。地震にまつわる文章も書いたり消したりうまくまとまらず。地震と関係ない文章からすこしずつ書いていきましょうか。

 映画『ぼけますから、よろしくお願いします。~おかえりお母さん~』を観てきておりました。前作がとても良くて、続編ができたのを知って迷わずに観に行きました。
 東京で映像制作の仕事をする住友直子さんが、広島のご両親を撮ったドキュメンタリーです。認知症の母に100歳を迎える父、老々介護でもあり遠距離介護でもあり、実の親子なだけになかなかに厳しい現実ではあるのですが、お母様やお父様のキャラクター性やエピソードにくすりとしながらも、わたしは終始泣きどおしでした。
 サブタイトルが「お母さん」であることを思いました。映画の中でも直子さんが「お父さん」「お母さん」と話しかける場面は多くあり、ご両親もお互いそう呼び合っています。また、直子さんが実家に帰った際の第一声の「お父さん」は広島弁のイントネーションも相まってでとても印象に残ります。両親が高齢になったからと言って「おじいちゃん」「おばあちゃん」と呼び方が変わるわけではなく、変わるとしたら子供ができてから子供に合わせて「おじいちゃん」「おばあちゃん」と呼び始めるのでしょう。わたしも両親を「お父さん」「お母さん」と呼んでいます。わたしがこのシリーズにおいて特に惹かれてしまうのは直子さんが独身女性であるというところで、作中でも「仕事が恋人」と語られるほど自立した格好いい女性で、だからこそ40代で乳がんを患ってしまってめそめそする直子さんを元気だった頃のお母様が明るく励ましてくれる場面などは、とてもせつなくなるのでした。お母様が認知症を発症するのはそれから5年後のことです。

 帰りに寄った本屋で、直子さんが「中国新聞」に連載していたコラム「認知症からの贈り物」に大幅加筆した『ぼけますから、よろしくお願いします。~おかえりお母さん~』(新潮社)を購入しました。お父様やお母様がとても魅力的で、ほんとうは結構しんどいであろう日々がユーモラスであたたかな筆致で描かれています。誰にもドラマがあり、誰もが老いてゆく。わたしもいつまでもぼんやりせず、少しずつ何か書いていきたい。

  公式サイト→https://bokemasu.com/

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自己紹介:
短歌とか映画とかこけしとか。
歌集『にず』(2020年/現代短歌社/¥2000)

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