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毎週楽しみに観ていたドラマ『少年寅次郎』が最終話を迎えました。映画『男はつらいよ』の主人公・寅さんの少年時代の物語で、主人公は育てのお母さんです。映画の方とは少し設定が変わっていたのかもしれませんが、おもしろかったです。なにより、幼年時代、少年時代の子役の子がかわいい。この子が大きくなって寅さんになるんだ、というのが自然に受け入れられるような雰囲気で好演でした。
 物語が昭和11年から始まったので当然の流れとして、第3話あたりで昭和20年8月を迎え、玉音放送が流れてきました。まただ、と思いました。少し前に大河ドラマの『いだてん』でも玉音放送を聞きました。その前に昼ドラの『やすらぎの刻~道~』でも玉音放送を聞きました。

 そんなにたくさんの連続ドラマを観ているわけではないのに、それほどの時期をおかずに玉音放送を続けて聞いたのが、自分でも少し気になりました。戦争特集の多い夏に観た単発ドラマでも聞いたかもしれないし、ドキュメンタリーを入れればもっと聞いたかもしれません。

 テレビで聞く玉音放送はほとんどが「耐え難きを耐え~忍び難きを忍び~」という一節ですが、8月に映画館で観た『東京裁判』では冒頭で全文が流れました。全文を聞いたのは初めてです。なんだかとっても難しい文章だったのですが、当時リアルタイムでラジオから聞いた人は理解ができたのでしょうか。少なくとも無学なわたしの祖母はわからない気がします。父方の祖父や同居していた大伯父など、戦争に行って帰ってきた人が存命だった頃にいろいろ話を聞いておけばよかったなあとも今になって思うのですが、子供の頃は戦争の話は怖くて積極的に聞こうという姿勢にはなれませんでした。また、家には戦死した兵隊さんの遺影があるので、子供心に察して遠慮していたようなところがありました。兵隊さん、なんて言っていたけれど、わたしと血の繋がりのある人なのだと思えば、なにか大切なことを通り過ぎてしまったような気もするのでした。
 『東京裁判』は冒頭で玉音放送が流れたあと、『昭和萬葉集』より土岐善麿などの短歌がいくつか流れました。こういったドキュメンタリー映画の中で短歌の朗読が挿入される、ということも興味深いです。どうして短歌なのか。どうしてわたし達は短歌を詠むのか。
 5時間くらいあったので体も心もどっと疲れましたが、観てよかったと思いました。観る前まではA級戦犯が誰なのかも、靖国参拝がどうして問題になっているのかもよくわかっていなかったのです。なにかを深く理解したとか、思想が大きく変わったとかいうわけではないですが、事実としてあったことのそのままの映像を観た、というのがよかったです。12月にも再上映されるそうです。

 そういえば、祖母から戦時中のエピソードを一つだけ聞いたことがあります。群馬県の落下傘工場で働くことになり、少女だった祖母はどうも罪を犯してきたようなのでした。

  落下傘工場で絹糸一つくすねてきたと祖母舌を出す

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自己紹介:
短歌とか映画とかこけしとか。
歌集『にず』(2020年/現代短歌社/¥2000)

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