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川が好き。山も好き。
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塔10月号のエッセイで映画『人生フルーツ』について少し触れたのですが、最近あちこちの映画館で再上映されているようです。わたしが観た時でも何かの受賞記念の再上映だったので、再々上映でしょうか。時期が合ったことなども不思議な感じがしています。と同時に、それが樹木希林追悼上映であることを寂しくも思うのでした。

 追悼上映のいくつかの中から『神宮希林 わたしの神様』を観てきました。『人生フルーツ』と同じ伏原健之監督のドキュメンタリーで、樹木希林さんがお伊勢参りをするのを軸として、式年遷宮にまつわる祭事に参加したり、東日本大震災で流されて小さく建て直された石巻市雄勝町の神社に行ったり、歌人の岡野弘彦さんに会いに行ったりします。
 遷宮のためのヒノキがあったりとか、いくつもの儀式があったりとか、儀式のための供物が決まっていたりとか、わたし達にとっての神様とは、ということを深く考えさせられました。わたし自身は仏教だとは思うのですが、日本の神様の話も好きです。先日帰省した際は地元のお祭りに行ったのですが、伝統の舞楽やお囃子、奴などに民間信仰を強く感じました。すべては神様への祈りであり、神様への感謝でもあるのだと思いました。
 おもしろかったのは、伊勢うどんのお店で、女将さんが法被をあげようとするのへ、いらない、と拒否したところ。女将さんは「他の人はもらってくれるのに」とぶつぶつ言っていましたが、確かによろこんで受け取った方がその場がまるく収まるし、実際に女将さんの厚意がありがたいから受け取る人が多いのでしょう。もらったって着ないから、と頑なな希林さんは、強情で、正直で、身近にいたらちょっとめんどくさい人なのかもしれないなあと思いつつ、うらやましい気持ちにもなりました。自分に不要な法被は受け取らない一方で、ティッシュなどは一度取り出したら必ず何かを拭いたりして使い倒すと冒頭で仰っていて、本当に物を大事にするとはこういうことなのだという気もしました。
 チラシやポスターにもなっている稲の光景が美しいです。可憐な稲の花の接写から広がってゆく緑が。祭祀に稲が使われる意味を、あらためて思ったりするのでした。
 伊勢神宮にはいつか行ってみたいです。

  公式サイト→http://jingukirin.com/

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女性
自己紹介:
短歌とか映画とかこけしとか。
歌集『にず』(2020年/現代短歌社/¥2000)

連絡・問い合わせ:
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