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川が好き。
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昨日の夕方、大雨に窓を洗われながら、家路へ向かうバスが、舟のようだと思った。乗り合わせた一人一人がそれぞれ帰る場所に帰り、それぞれの生活、それぞれの人生へ帰ってゆく。わたしはわたしの住み慣れた一人の部屋へ。

 「鰻が食べたい、鰻が食べたい」と、わたしがしきりにつぶやいていたことなんて知らない母からの宅配便に、鰻が入ってあった。叔母のお中元のおすそわけとのこと。うれしい。
 去年の丑の日は穴子でがまんした。今年は、木綿豆腐を水切りして鰻のたれで味付けしてみようか、片栗粉をはたいて揚げた後にたれで煮てみるのはどうだろう。だめだ、煮てはせっかく付けた衣がとろけてしまう。片栗粉をはたいて揚げた後、たれにくぐらせて焼いて、塗って、焼いて、がいいかもしれない。いっそ厚揚げを使ってみるのもありかもしれない。
 などと考えていたことを母に話すと、「ちくわを使えばいいんじゃない」と返ってきた。確かに見た目は似ているし、よく聞く話だけれども。

 今日は今日で、おなじみの胃痛。この頃、泣きたいと思う。そういえばずっと泣いていないし、思いのほかパソコンに向かっていたせいか、目が渇いてるのかもしれない。泣ける胸があればと思う。頭を撫でてくれる手があればと思う。一人で泣くと、ほんとうに一人だ。

 明日には、水曜日に電話をすることに決めたらしい父が、犬の散歩とでも偽って外から電話をかけてくるだろう。先週は二階のトイレから、その前は車庫からだった。実の娘に他愛ない話をするだけなのに、なにをこそこそする必要があるのか。一人暮らしも十四年目、父からの電話なんて最初の十年のうちにも一、二回あったかないか。今年になって妹が嫁いだこともあり、なにか思うこともあるのかもしれない。

 先週、津波のあった地域に住む知人から、半年振りに電話があった。携帯電話が壊れてデータが飛んでしまったけれど、わたしが以前お遊びで作って渡した名刺を持っていてくれて、それを頼りに新規の携帯電話から連絡をしたのだという。やっぱり、結局はデータより紙だ。もうやだ、と何度も繰り返しながら、彼女は最近お父様と二人暮らしになったことを話した。「夜になると人恋しくて心細い」と言うその人に、そのうちわたしの方から電話をしようと思った。

  両手で持つ受話器の向こう年上の女ともだち幸せになれ

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