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川が好き。山も好き。
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 左手の人差し指に、全治2週間の怪我をした。包帯を巻いているので、仕事の際は医療用のラテックス手袋を使用している。これがビニール手袋より伸びがよく、ほどよくフィットしてがさばらず、薄いので物に触れる感覚もそんなに違和感がない。熱いもの冷たいものの温度もそれなりにわかる。便利なものがあるものだと感心する。

 手袋をしたまま手を洗いペーパータオルで拭いた後、書類を手に取ると、紙が濡れてしまった。水分が拭き取りきれていなかったのだ。目では充分に見えたのだけれど、まだ拭き取りが途中であるということに、手袋をしたままの左手では気づけなかった。
 少しの水に濡れた感触も、油のベタつきも、洗剤のヌルヌルも、ラテックス越しではまったくわからない。鈍い左手で感じ取れなかったものに生の右手で触れてみて、皮膚感覚というものはこんなにも敏感だったのか、とあらためておどろいた。

 直に触れる、ということ。なにもまとわない素肌でなければ伝わらないものが、こんなにもある。左手の人差し指を負傷する今の今まで、わたしはほんとうに知らなかった。

  「さわって」と導かれた手を振りほどきひかりを見てた仰向けのまま

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無題
肌が合う、合わないって本当にあるなあと思います。
直に触れ(られ)たいか、触れ(られ)たくないか。
私の中ではかなり重要かもしれません。
あおい 2013/07/06(Sat)16:27:22 編集
あおいさんへ
短歌は、「触りたくない」でなく、「触るのがこわかった」という心を詠んだ過去作ですが、
変な意味でなく、肌の合う合わないってありますよね。
パーソナルスペースというか。
わたしの中でも、思いのほか重要みたいです。
おとも 2013/07/06(Sat)18:01:32 編集
おはようございます。
自分も導かれて、怖くて固まってしまったことがあったことを思い出しました…///

深く関わるだけでも相当な覚悟が入りそうで怖くて足がすくむのに、触れるなんて上級編はとても…ってビビりようでした;

日常生活で意思を持って素肌で触れ合うなんて機会は、そうそうないですもんね。

でも、一度知ってしまったら離れられなくなる怖さも知りました。
厄介なものですね。

病気をしてると、時に薬よりも言葉よりも、手を添えられるだけで救われることがあります。
優しいおともさんのぬくもりが、知らない内に誰かを温めていたこともあったはずですよ。
お怪我、お大事に^^
砂名 URL 2013/07/08(Mon)08:53:52 編集
砂名さんへ
手袋生活の中で、どんなに薄くて皮膚に密着していても、
膜の隔たりは大きいものなんだなあと気づかされました。
触る対象が物であれば自分だけの反応ですが、それが人の場合は
相手もなにかしら感じること、感じたいことがあるのでしょうね。

病院にいるとなにかと心細くなりがちですが、こうして砂名さんに
あたたかいお言葉をいただけて救われました。
砂名さんもお体お大事にしてくださいね。
おとも 2013/07/08(Mon)20:57:41 編集
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おとも
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女性
自己紹介:
短歌とか映画とかこけしとか。
歌集『にず』(2020年/現代短歌社/¥2000)

連絡・問い合わせ:
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