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川が好き。山も好き。
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「家族はつらいよ2」を見てきました。やっぱり、山田洋次監督の喜劇は良いなあと思いました。安定感というか、安心感というか。出てくる人達がそれぞれ人間臭くて、特にお父さんとか見てる分にはおもしろいけど身近にいたら絶対に嫌!だけど絶対にこういうめんどくさい人はいるから笑えるのでしょう。笑えて泣けて、良い映画でした。3もあればいいなあ。
 ちょっと気になるのは、老夫婦の部屋が2階にあること。「男はつらいよ」の寅さんの部屋が2階にあったからでしょうか。階段を使った演出も効いていると思うのですが、老夫婦の足腰が心配になってしまうのでした。

 今作は無縁社会がテーマで、コミカルに描かれているけれど、考えさせられるものがありました。出掛ける前に、元アイドル女性の35歳での孤独死のニュースを知って、ショックを受けていたところでした。わたしは生まれ育ちからしてしみったれてますが、あんなにきれいで、華やかな世界にいた人でも人生どうなるかわからないのですね。どうにも他人事ではないのでした。
 あとは主演の橋爪さんのリアル家族はつらいよの状態が、なんとも。


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 映画「家族はつらいよ」を見てきました。山田洋次監督による、小津安二郎映画「東京物語」のオマージュ作品が2012年の「東京家族」、その同キャストによる新作喜劇です。橋爪功さん演じるお父さんと、吉行和子さん演じるお母さんの熟年離婚をめぐる一家の大騒動。長男は西村雅彦さん、そのお嫁さんが夏川結衣さん。長女に中嶋朋子さん、夫は林家正蔵さん。次男は妻夫木聡さん、恋人が蒼井優さん。音楽は久石譲さんです。

 わたし、今年見た映画のベスト1はこれに決めました。人物それぞれに人間味があり、それゆえただようペーソス感がたまらない。いちいち小ネタが効いていたり、山田洋次監督の代表作「男はつらいよ」がちゃっかり宣伝されていたり(映画館にリバイバル上映としてポスターが貼ってある、家にDVDが揃ってある等)、「男はつらいよ」のテーマ曲が歌われたりもしました。「東京物語」に重ねた場面ではしんみりしつつ、ひたすら笑いっぱなしの108分でした。館内も、笑い声やツッコミの声が絶えず、楽しさをみんなで分け合えたような思いがしました。とても愉快な気分でした。
 今年これからもいくつか映画を見るでしょうけれど、たぶんわたしはこの映画が一番好きです。

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年下の女の子に「DVDで恋愛映画を見たいからおすすめを教えて」と言われたので『ジョゼと虎と魚たち』を超絶おすすめしたところ、「エロ過ぎ。恒夫みたいな浮気男は最低。この映画のどこが良かったんですか?」と不評でありました。妻夫木聡さんと池脇千鶴さんが役柄にハマってて、くるりの音楽も良くって、いじらしくて、せつなくて、わたしは大好きな映画なんだけどなー。

 先日、仙台フォーラムで『先生と迷い猫』を見てきました。ファースト・デーで映画が1100円の日にお休みだったのです。わたしは偶然にレディース・デーや映画デーなどに休みが当たったら、映画を見にゆくことに決めています。
 妻に先立たれた一人暮らしの元校長先生と猫と、町の人達のお話。
 どれを見ようかな、『バクマン』も見たいな『岸辺の旅』も見てみたいなあって迷いつつ、これ!と選んだのだけど、一緒に見に行った方が途中で寝ていました…なんだか申し訳ない。そんなふうに少し地味な作品ではありましたが、人情味あふれるユーモアたっぷりのあたたかい映画でした。たぶんほとんどの観覧者の方々が猫に萌えている中、わたしは主人公のカタブツで偏屈な元校長先生を演じるイッセー尾形さんに萌えていました。ファンなのです。
 わたしはペットを飼いたくない主義なのだけれど、それはこの映画の最後に元校長先生が語る、猫を追い払おうとしていた理由と同じで、なんだか胸にくるのでした。


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 今日のGoogleのトップページがすてき。小津安二郎生誕110年にして、没後50年とのこと。全部見たわけではないけれど、小津安二郎映画は好き。数年前にNHKの「知るを楽しむ」で落語家さんが小津映画の解説をするという番組も見てたのです。

 今から作りたい映画は、俳句の世界、たとえば、連句のようなもの。ストーリーはないが何気ない風景描写に、詩情が感じられるようなもの(「週刊新潮」1959年3月23日)

 小津安二郎が俳句を嗜んでいたということを知り、なるほど、と思った。小津安二郎映画の、派手でない日常生活を切り取ったような世界観や、心情表現に抑制の効いた淡々とした雰囲気というか、ものごとを俯瞰で見ているような感じが好きだったのだけれど、それは確かに俳句っぽい。

 「好きな映画は?」と聞かれたら、いつも『麦秋』と答えている。名作『東京物語』も好きだけれど、『麦秋』に惹かれるのは、いろいろ身につまされるからだろうか。『麦秋』で原節子演じる紀子と近い境遇にいる今のわたしだからこそ、沁みる台詞のいくつもあるのだった。そんなことを考えていたら、おもしろい俳句を見つけた。

  原節子・小津安二郎麦の秋 / 吉田汀史

 台詞と言えば、小津安二郎映画には「今が一番いい時」というような台詞がいくつもの作品に出てくるのが印象に残っている。時は留まってくれない。かたちあるものはいつかこわれる。色は匂えど散りぬるを。全ては無常であるということ。そうした日本的な諦観がおだやかに語られると、なんとも言えずせつない。
 今が一番いい時かもしれない、そんなふうに日々がわたしにもあったかもしれない。けれど、これから訪れるかもしれない。いい時も、そうでない時も、全ては無常なのだから。

  争を大災に置き換えて『東京物語』リメイクされたり 

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おとも
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女性
自己紹介:
短歌とか映画とかこけしとか。
歌集『にず』(2020年/現代短歌社/¥2000)

連絡・問い合わせ:
tomomita★sage.ocn.ne.jp
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