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川が好き。山も好き。
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仕事で月間の数字が良かったみたいで、粗品をいただきました。ステーショナリーグッズなどいくつか選べたのですか、むぎゅむぎゅ握る人形にしました。あんまり実用的でないものの方が、ご褒美感っぽくていいかなと思って。

 表情もいまいちわからないシュールな人形ですが、手にしてみると、これがなかなか気に入ってしまっています。ちょうど手のひらにすっぽり収まるまるい顔をむぎゅむぎゅしていると、妙に落ち着くのです。ライナスの毛布みたいに、手元に置いておきたい感じです。
 手触りがいいっていうのもあるけれど、がんばったねって仕事で褒めてもらえたのがきっとうれしいんだな。

  にぎられたい手があるのならのばしてよ わたしはそれにすがってみたい

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昨年の今頃、お見合いの話がありました。従姉妹の同僚男性で、わたしに会ってみたいとの申し出があったとのことでした。身元のしっかりした思わぬエリート男性との縁談に、両親は今までにないほど乗り気で、こわいくらいでした。

 結局、会うこともなく、お断りをしました。恋人に話をしたところ、「断ってよ」と即答してくれたのでした。こんなことを相談するのも試し行為のようで躊躇われたのですが、それでも、黙ってお見合いをすることは、恋人にもお見合い相手にも手配してくれた親戚にも不誠実だと思ったのです。それまで将来の話が出たこともないのに、こんなことを相談をするのも試し行為のようで躊躇われたのですが、あまりにさらっと当然のように笑ってくれるものだから、わたしは妙な安堵感で言葉少なになり、「断って」の続きを求めることはしませんでした。天気予報が晴れだからと遠出した、二本松の高村智恵子記念館の帰りの高速道路でした。
 両親には「体調不良でそれどころではない」とわけのわからない理由を伝え、落胆されました。ほんとうのことは何も言えず、頭のおかしな娘だと思われたかもしれません。

 賢い女性ならば、しれっと二人を天秤にかけ、向こうが良かったら乗り換えたりするのでしょう。もしくは、「あなたが断らせたのだから、責任を取ってほしい」と婚姻届を持って恋人に詰め寄ったりするのでしょう。
 もっと上手に生きられるようになりたいな。今年の冬は寒いです。 

  縁談をぼてりとかわす暖冬の東北に降る一月の雪

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なにごともなかったように君が来て守られている夏の約束

  助手席のシートを直す 足の長い誰かの座った季節を直す

  求められなければ裏磐梯のペンションの宿帳に書く名前は一つ

  ケンカしたこともないのに仲直りしたいと思う線香花火

  リターントゥティファニー胸に刻ませて今その意味がよくわからない

  「またね!」って帰り際言う「さよなら」と先に君から告げられぬよう



***

 この小旅行の帰り、カーラジオからオフコースの「秋の気配」が流れてきたことをよく覚えています、まるで自分がドラマの中にいて、挿入歌が流れてきたようで。2首目の助手席の歌を百葉集に採っていただきました。うれしいです。

 11月号選歌欄評で、永久保さんに逢引きの誘いを蹴って歌会へ行く歌の評をいただきました。偶然でしょうけれど、まさにその歌会でご一緒しました。

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阪神大震災から22年が過ぎました。それから、中越地震、東日本大震災、熊本地震、たくさんの地震がありました。東日本大震災を経験してからは、避難所の光景などをテレビで見る度に、あの日を思い出し胸が痛くなります。震災にまつわるドキュメンタリーもできるだけ見ています。

 酒井順子『地震と独身』は、とても印象に残る本でした。独身女性をテーマにしたエッセイに定評のある著者ですが、そんな著者が「ふと思ったこと」を、わたしも震災当初からずっと感じていました。震災関連の報道で取り上げられるのは、家族を亡くした悲しみ、家族との支えあい、家族の物語ばかりということです。子供や高齢者ではない世代の独身で被災した人について焦点があてられることはあまりありません。家族の絆を押し出した方が反響が良いのでしょうか。けれども、一人で震災の日々を生きるという事実は確かにあるのですから、見過ごされがちな独身者達の声に耳を傾けてくれたこの本を、ありがたく思いました。
 東京で過ごした独身で親や子のない著者自身、被災地に暮らして働いていた人、遠方からボランティアに来た人、被災地在住ではないもののもっと遠方へ移住した人、震災を機に結婚をした人、たくさんの独身達の震災に取材してあり、家族を優先した同僚の仕事が独身者に背負わされるなどメディアであまり語られることのない独身ならではのエピソードは興味深いものです。中でも、わたしが「そうそう!」とうなずいたのは、地震直後、既婚者はいち早く家族の元へ向かおうとするのに対し、独身者は帰宅を急がなかった、という部分です。実際に、わたしが職場で被災した時、こんな混乱した中を一人暮らしのアパートになんて怖くて帰りたくないと思っていたのに対し、既婚者の方が「ごめんね、先に帰るね」と謝って帰って行くのへ、意識のズレを感じたのでした。
 この本は2014年に出版されたものですが、2016年の文庫化にあたり書き下ろされた後書きとして、取材された方々のその後の様子などが知れたのもよかったです。当時に独身だからこそ震災を機に変わってゆく人生というものが思われます。
 
 わたしが震災を短歌に詠むときにも、意識して独身女性の視点を大事しています。自分が訴えたいというのもあるし、他の人があまり詠まれないことだとも思うので。歌に残してゆくということに、意味があると思いたいです。

 余震は今でも続いています。

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秋に受けた健康診断で引っかかってしまったので、精密検査に行ってきました。あまり耳慣れない症状で、どの科で見てもらうのかわからずにいたのですが、そのものずばりな専門クリニックが、ちょうどわたしの登録している派遣会社と同じビルに入っていました。慣れた場所だと思うと、少しは安心です。比較的新しいそのクリニックは待合室も清潔で、本棚には昨日読み終えたばかりの角田光代『対岸の彼女』が置いてありました。わたしは村上春樹『色彩を持たない多崎つくると、彼の巡礼の年』を3頁くらい読みました。

 検査の結果は、とりあえずは経過観察ということで、特に治療の必要は今はまだないとのこと。ただ、食事制限が出まして、昆布を控えるようにとの指示がありました、このおでんの季節に!食べてはだめと言われると食べたくなってしまうので困ったものです。また、採血の際のアルコール消毒で腕が思いっきり赤く腫れてしまい、そりゃあお酒なんて飲めないはずだなあとつくづく思いました。
 
 お酒も飲まず、タバコも吸わず、通勤などで適度に歩き、自炊中心で栄養バランスにも気を配っているのに、患うのは妙にくやしいものがあります。基本的には健康なわたしですが、これまでも消化器や婦人科など何かの不調の度に、ストレスが原因と言われたりもしました。別にイライラした気持ちを抱えているわけでもなく、むしろ人前ではニコニコ過ごしていると思うのですが、どうしたものでしょう。気楽に生きたいものです。

 家を出るときには晴れていたのに、診察の帰りには雪が降り出していました。まさにおでんの季節です。

  病気してばかりいるから子が生めぬと祖母が笑ってわたしも笑う

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救急車を呼んでくれたり通りすがりのお仕事中の介護士さんが

  救急車に運ばれながら案じるは上下ばらばらなる下着のこと

  「付き添いはいません」と連絡される声の繰り返されて さびしい

  病歴を答えるときに濁したく思う自分の心に気づく

  寛解し薬も飲んでないんです今は大丈夫です本当に

  入院費を出せないゆえに入院の勧めを遠慮する白い部屋

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友達から、恋人と暮らすために少し遠くへ引越すとのお知らせがありました。彼女はお店に勤めていたので、職場に遊びに行くこともあったのですが、仕事も退職するとのこと。なかなか会えなくなるのは寂しくもありますが、しあわせそうでなによりです。

 恋人ができたり、結婚が決まったり、お子さんが生まれたり、この頃は親しい人達のしあわせ報告続きです。いつもお祝いをする側のわたしですが、それもまたしあわせと思います。よく言われるような妬みとか嫉みとか「リア充爆発しろ!」とかいうような気持ちなんてちっとも湧いてこなくって、ただただ素直に「おめでとう~」「いいな~」「よかったね~」とうれしくなります。

 人のしあわせを純粋によろこべる自分の心の在り方に安堵しつつも、みんなが持っているしあわせになるための何かが、わたしには欠けているのだろうなあ、と自分を省みたりもします。「そっちはどうなの~?」と聞かれても、せっかくの吉慶に水を差すのは申し訳ないので自分の状況はさらっと流しているのですが、それでもみんな口を揃えてもったいないくらいの優しい言葉をくれます。わたしのしあわせを願ってくれる人がいるということこそがしあわせなのだと、つくづくありがたく思うのでした。
 
  しあわせはきれいな寝巻きで眠ること取り込みたての白いシーツで

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新年あけましておめでとうございます。

 今年の年末年始も実家で過ごしました。冬の山形なのに雪がないのにびっくりです。
 元旦は、実家で檀家になっている近所の小さなお寺に初詣に行きました。近所のおじいちゃんやおばあちゃんが集まっていて、妙にほんわかしました。今年は後厄なので、祈祷をしてもらいました。去年は本厄だったのに、松の内を過ぎてから厄除けの御守りを買うぐらいで済ませていたらやっぱり本厄の憂き目に遭ったので、今年は抜かりなくゆく所存です。おみくじを引いたら大吉だったので幸先が良いです。いただいた甘酒もしょうがの効いた手作りのあったかい味でした。

 今年は、というかもう毎年言っているのですが、やっぱり去年もうまくできなかったので、今年こそ、自分の心を大切にしたいです。自分のほんとうの心を見失わないようにしなければ、とも思います。あとは、健康。

 わたしも、皆さんもしあわせな一年になりますように。今年もどうぞよろしくお願いします。

  しあわせな歌が詠みたい誰からも全然ほめられなくていいから

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あっというまに2016年も終わりです。今年は、仕事が4回も変わりました。嫌で次々に辞めたというわけでなく、最初から期限の決まっている短期の仕事で食いつないでいた感じです。もちろん長く働ける仕事を見つけたいのですが、空白期間ができるよりはとりあえずでも就業しようとの心でした。そのため安定はしていませんでしたが、一年を通して仕事にありつけたこと、仕事ができるような健康状態であったことは、幸福なことでもあったように思います。
 どの就業先でもそれなりに働けたことは、この先も仕事が変わってもそれなりにやってゆけるだろうという自信にも繋がりました。幸い、どこも人間関係も良好で、ほんとうに恵まれていたと思います。
 今の仕事は、きれいなオフィスビルで、休憩室の窓から観覧車が見えるのがすてきです。その仕事も春までだけれど、これまでなんとかなったのだから、この先もなんとかなるでしょう。

 この秋には秘書検定2級の試験を受け、無事に合格しました。3級より2級の受験を勧めてくれた同僚さんが問題集を譲ってくれ、ありがたいことです。この先の仕事に結びつくようなことはないと思うけれど、この年齢になっても勉強ができたこと、結果が出たことはうれしいです。

 新しいパソコンも買ったのです。買おうと思ってから3年かかったのですから、わたしの腰の重さたるや相当です。その間に、店頭に並ぶWindowsも8から10になっていました。新しいパソコンはまだ慣れないけれど、それなりに満足してます。
 
 今年は仕事が何度も変わったせいか、前半のことも遠い昔のような不思議な感覚です。そういえば今年は、15年書き続けていた日記を千切って全部捨てたりもしました。ゴミ袋いっぱい分はあり、処分に半日かかりましたが、すっきりしました。この世は無常なのだということを胸に置いて、過去にとらわれず、今を大切に生きてゆきたいと思います。

 それでは、今年一年ありがとうございました。良いお年をお迎えくださいませ。

  日記帳を破り捨てたり入院の勧めをはねて帰りたるのち

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ラブレターを書きました。便せんは、灯台の絵が描いてある、夜空の色とお月さまの色の枠線のものを選びました。あらたまって、拝啓から書き始めてゆきました。南陽市の熊野大社のうさぎの御守りをくれたことや、日曜朝10時の小川洋子さんのラジオ番組を教えてくれたこと、出張中の新幹線の窓からわたしのアパートを探してくれたことなどへの、ありがとうの気持ちを綴ってゆきました。
 書き終えて、「好き」や「愛してる」の言葉がないことに気づきました。「さようなら」と「またね」は書きませんでした。
 何回も何回も何回も読み直して、これでいい、と思いました。仕事帰りの薬局でふと目に留まった、ニベアの青缶を同封しました。封をして、海原へ船を送り出すように、手放しました。遠く行くように、心の中で手を振りました。

  変換に慣れた右手で辞書を引く少しまじめな君への手紙

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HN:
おとも
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女性
自己紹介:
短歌とか映画とかこけしとか。
歌集『にず』(2020年/現代短歌社/¥2000)

連絡・問い合わせ:
tomomita★sage.ocn.ne.jp
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