川が好き。山も好き。
今日のGoogleのトップページがすてき。小津安二郎生誕110年にして、没後50年とのこと。全部見たわけではないけれど、小津安二郎映画は好き。数年前にNHKの「知るを楽しむ」で落語家さんが小津映画の解説をするという番組も見てたのです。
今から作りたい映画は、俳句の世界、たとえば、連句のようなもの。ストーリーはないが何気ない風景描写に、詩情が感じられるようなもの(「週刊新潮」1959年3月23日)
小津安二郎が俳句を嗜んでいたということを知り、なるほど、と思った。小津安二郎映画の、派手でない日常生活を切り取ったような世界観や、心情表現に抑制の効いた淡々とした雰囲気というか、ものごとを俯瞰で見ているような感じが好きだったのだけれど、それは確かに俳句っぽい。
「好きな映画は?」と聞かれたら、いつも『麦秋』と答えている。名作『東京物語』も好きだけれど、『麦秋』に惹かれるのは、いろいろ身につまされるからだろうか。『麦秋』で原節子演じる紀子と近い境遇にいる今のわたしだからこそ、沁みる台詞のいくつもあるのだった。そんなことを考えていたら、おもしろい俳句を見つけた。
原節子・小津安二郎麦の秋 / 吉田汀史
台詞と言えば、小津安二郎映画には「今が一番いい時」というような台詞がいくつもの作品に出てくるのが印象に残っている。時は留まってくれない。かたちあるものはいつかこわれる。色は匂えど散りぬるを。全ては無常であるということ。そうした日本的な諦観がおだやかに語られると、なんとも言えずせつない。
今が一番いい時かもしれない、そんなふうに日々がわたしにもあったかもしれない。けれど、これから訪れるかもしれない。いい時も、そうでない時も、全ては無常なのだから。
戦争を大震災に置き換えて『東京物語』リメイクされたり
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歌集『にず』(2020年/現代短歌社/¥2000)
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