川が好き。山も好き。
思いがけずこの7月から環境が変わり、張り詰めたような心地で日々を送っていたのですが、やっと一区切りつき、明日は休みです。そうだ、今日は図書館まで足を伸ばしてから帰ろうと、自宅とは反対方向に定禅寺通りを歩いていると、サラリーマンらしき男性に声をかけられました。
「すみません、○○ビルはどこですか?」
「この地図のこの公園がこの先で、今歩いているのはここの通りなので、こっち側にあると思います」
「ご親切に、ありがとうございます」
尋ねられたビルの名前は知らなかったけれども、おそらくこの辺だろうと、見せられた地図と道とを指差すと、気持ちの良い笑顔でお礼を言っていただけました。人助けができたようで、こちらもどこか清々しい。
それにしても、週末のアフターファイブでいつにも増して人通りの多い定禅寺通りなのに。
わたしは人に道を聞かれることが割と多いほうだと思います。つい先日も仙台駅の地下道へ向かう階段で、中高年女性に地下鉄南北線へはどう行ったらいいか聞かれ、一緒に階段を降りて案内したばかりでした。ここ数か月でも、車に乗っている人に窓から呼び止められてオフィスビルの場所を聞かれたり、スマホ片手の外国人に朝市がどこか聞かれたり、ヘルプマークを付けた人に文化センターの場所を聞かれたりしました。もともとが方向音痴で、仙台に暮らしてはいても未だに余所行き気分なので、土地勘も怪しく、充分に案内できないこともしばしばです。居住地どころか旅行先の秋田で道を聞かれたこともあるし、目的地へちゃんと着くかどきどきしながら乗っている東京の電車の中でも隣に座った人にこの電車はどこどこ駅に着くかと聞かれたこともあります。
周りに他にも人はいるのに、さぞかしわたしが道に詳しそうに見えるのでしょう。と、いうわけではなくて、単にわたしの見た目、服装やメイクなども含めてあまり攻撃的ではなく、声を掛けるに無難そうなのではないか、と推測しています。道案内だけでなく、切符の買い方などを尋ねられたり、カメラのシャッター係を頼まれたりすることもよくあります。
見知らぬ人から声を掛けられやすいからといって、わたしに人を惹き付ける魅力があるかというと、そういうことではありません。見知る人とはそれなりに接しているつもりがいつのまにか自分以外でグループができているようなこともあるし、また今度ねと言いながら今度がこないこともざらです。あくまでただその場きりの、旅の恥を掻き捨てる際にはちょうどいい感じのわたしなのでしょう。その場だけでない中身も磨いてゆければいいのだけれども。
新しい場所で、新しい人間関係が始まって、いましばらくはまだ緊張の毎日です。
次の歌会の勉強会で取り上げる歌集を読もうと思って入った図書館でしたが、課題の歌集が置いていなかったので、永田和宏さんの『あの胸が岬のように遠かった―河野裕子との青春―』を読みました。短歌の「か行」の棚にありました。
よく道を聞かれることと愛されることは違って南天の花/塔2023年12月号
「すみません、○○ビルはどこですか?」
「この地図のこの公園がこの先で、今歩いているのはここの通りなので、こっち側にあると思います」
「ご親切に、ありがとうございます」
尋ねられたビルの名前は知らなかったけれども、おそらくこの辺だろうと、見せられた地図と道とを指差すと、気持ちの良い笑顔でお礼を言っていただけました。人助けができたようで、こちらもどこか清々しい。
それにしても、週末のアフターファイブでいつにも増して人通りの多い定禅寺通りなのに。
わたしは人に道を聞かれることが割と多いほうだと思います。つい先日も仙台駅の地下道へ向かう階段で、中高年女性に地下鉄南北線へはどう行ったらいいか聞かれ、一緒に階段を降りて案内したばかりでした。ここ数か月でも、車に乗っている人に窓から呼び止められてオフィスビルの場所を聞かれたり、スマホ片手の外国人に朝市がどこか聞かれたり、ヘルプマークを付けた人に文化センターの場所を聞かれたりしました。もともとが方向音痴で、仙台に暮らしてはいても未だに余所行き気分なので、土地勘も怪しく、充分に案内できないこともしばしばです。居住地どころか旅行先の秋田で道を聞かれたこともあるし、目的地へちゃんと着くかどきどきしながら乗っている東京の電車の中でも隣に座った人にこの電車はどこどこ駅に着くかと聞かれたこともあります。
周りに他にも人はいるのに、さぞかしわたしが道に詳しそうに見えるのでしょう。と、いうわけではなくて、単にわたしの見た目、服装やメイクなども含めてあまり攻撃的ではなく、声を掛けるに無難そうなのではないか、と推測しています。道案内だけでなく、切符の買い方などを尋ねられたり、カメラのシャッター係を頼まれたりすることもよくあります。
見知らぬ人から声を掛けられやすいからといって、わたしに人を惹き付ける魅力があるかというと、そういうことではありません。見知る人とはそれなりに接しているつもりがいつのまにか自分以外でグループができているようなこともあるし、また今度ねと言いながら今度がこないこともざらです。あくまでただその場きりの、旅の恥を掻き捨てる際にはちょうどいい感じのわたしなのでしょう。その場だけでない中身も磨いてゆければいいのだけれども。
新しい場所で、新しい人間関係が始まって、いましばらくはまだ緊張の毎日です。
次の歌会の勉強会で取り上げる歌集を読もうと思って入った図書館でしたが、課題の歌集が置いていなかったので、永田和宏さんの『あの胸が岬のように遠かった―河野裕子との青春―』を読みました。短歌の「か行」の棚にありました。
よく道を聞かれることと愛されることは違って南天の花/塔2023年12月号
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歌集『にず』(2020年/現代短歌社/本体¥2000)
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