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川が好き。山も好き。
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昨日は晴れていたけれど、コインランドリーの帰り、自転車のハンドルを握る手が冷えて、これから雪が降るかな、と思いました。肌で感じる、雪が降る前の空気です。
 夜が明けたら、ベランダの手すりに夕べから振り始めた雪が積もっていました。外に出れば、春はまだ遠そうな雪景色です。
 こんな日に子が生まれたら、迷わず「雪子」と名付けるでしょう。

  晴れた日は晴子、雪降りなら雪子 生まぬ子の名を考えており   『にず』

 わたしの父は「ゆきお」という名前です。漢字が違うので、名付けの由来が雪だということは、つい最近父に聞くまで知りませんでした。そういえば父は冬生まれでした。ついでに言えば父の兄は「朝男」で、その線で行けば、もしかしなくても朝に生まれたのでしょう。わたしは、『鉄道員(ぽっぽや)』で雪の降る日に生まれた娘に「雪子」と名付けるシーンがとても好きで感銘を受けたのだけれども、実は父方の祖父母譲りのセンスだったのか。しかも「雪」だと画数が多いので簡単な漢字にした、というめんどくさがりっぷりも、確実にわたしは受け継いでいます。由来も不明で画数の多いキラキラネームを自分の子に付けてしまった妹とは違うところです。
 わたしは母方の祖母とその姉夫婦と同居していたため、父方の祖父母とは関わりが少し薄くなってしまっていたのですが、こんなふうにわたしの中に父方の祖父母の要素が息づいているのだ、と思うと不思議な感じがしました。

 今期の朝ドラ「カムカムエヴリバディ」は3世代に渡る百年の物語で、3人のヒロインはそれぞれ自分の人生を生きているのだけれども、視聴者であるわたし達は、ああ、こんなふうに受け継がれてゆくのだ、と神の視点でながめることができます。物語も終盤に差し掛かり、これからなにか大きな伏線の回収が待っているのかもしれませんが、今の段階で感じ取れる程度の、ことさら誰々の血筋がどうとか押しつけがましくない程度のバランスが心憎いように感じています。
 ノンフィクションの話でも、武士から華族から現代の要人に繋がってゆくような層々たる家系図にはロマンがあります。また、NHKで時々放映される「ファミリーヒストリー」のような市井の人々の命のリレーにもとても惹かれます。番組の性質上、最終的には著名人にたどり着くけれども、その親世代、祖父母世代の一人一人の庶民としての人生の営みもかけがえなくて尊い。この世の誰もが、そのような縁の繋がれた先で生きています。わたしも。

 一週間ぐらい前、父の叔母が105歳でご存命だという話を聞きました。父方の親戚に疎くて会ったこともたぶんないけれども、とてもありがたいような気持ちになりました。寒い日が続きますが、お元気でいてほしいです。

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おとも
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自己紹介:
短歌とか映画とかこけしとか。
歌集『にず』(2020年/現代短歌社/¥2000)

連絡・問い合わせ:
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