川が好き。山も好き。
「本当は物分かりのいい女じゃないの。ただ、耐えただけ。 」
先々週ぐらいまで放映されていたNHKドラマ「ブランケットキャッツ」で、主人公・秀亮のお見合い相手で離婚歴のあるたえ子さんが、相手の借金や浮気で結婚に失敗しても相手を責めずに受け入れた過去を振り返り、微笑みながら自嘲した台詞が、ずっと印象に残っています。時々、唱えたくなるくらいに。
仙台では26日連続で雨降り。おひさまの光が恋しいです。夕焼けとかも。暑いのは苦手ですが、さすがに今年の夏は寒いです。セロトニン不足になるし。
一人暮らしが寂しいしんどいと言い続けているわたしですが、最近、一緒に住まないか提案されました。
「絶対嫌!」と、考える間もなく即答してしまった自分に、自分でびっくりしました。
相手は、今まで一度も一人暮らしをしたことがない年下の女の子です。婚活中とのことですが、家事の一切をお母様任せにしているためか、言葉の節々から生活力の乏しさが伺えます。もちろん、家事は女性がやるべき、なんていうのは時代遅れですが、彼女は「働きたくない」と専業主婦希望なので家事をしないわけにはいかないでしょう。お母さんが部屋を掃除してくれないとゴミ屋敷になるとか、お母さんに「ご飯まだ!?」とキレているようでは、婚活が成功したとしてもその先は大丈夫なのかな、と心配になるのでした。篠田節子『女たちのジハード』で、エリート男性をでき婚に持ち込むものの、あまりの家事能力のなさに離婚されてしまう紀子を思い出します。彼女自身が以前一人暮らしについて相談してきたことがあったので、一度してみてはどうか言ってみたところ、できないとのことでした。
二人で暮らすことについて、あまりにわたしが強く拒んだので「そんなに強く言わなくても…」と落ち込まれてしまいました。すぐさま「二人暮らしだと彼氏できても部屋に呼べないよ~」と茶化しましたが、自分でも、冷たかったと思います。けれども、やっぱり『女たちのジハード』の紀子と康子の同居生活が浮かんでしまうのでした。康子による「自分のことも自分でできない人に結婚する資格があるのだろうか」というようなモノローグによって、その章は閉じられます。きっと、彼女のような人を「自分がついていてあげなくちゃ!」と守ってあげたくなる人もいるのだろうけれど。そのような人を新たに見つけて、紀子も康子の家を出ていくのだけれど。
いつもニコニコしておどけたことばかり言っている年上の同僚さんが、他愛ない会話の中にさらっと、まるで何でもないことのようにつらいことを混ぜてくることがあるので、どきりとします。そこで「えっ?」と立ち止まって話を広げることは望んでいないと思うので、わたしもさらっと流すのだけど。
いろいろなものを抱えている人ほど、かなしいくらい明るくて優しいように思います。そういう人は何かあっても、元気そうにしているから大丈夫なんだな、なんて表面で判断されて、ほんとうは大丈夫じゃない時まで放っておかれてしまうこともあるのではないでしょうか。一人でいる時に泣いているような気がして、無理している時もあるような気がして、気がかりです。
でも、わたしも見習って笑っていたいと思うのでした。
泣きながら渡ったかつての通勤の歩道橋から見えた夕焼け
先々週ぐらいまで放映されていたNHKドラマ「ブランケットキャッツ」で、主人公・秀亮のお見合い相手で離婚歴のあるたえ子さんが、相手の借金や浮気で結婚に失敗しても相手を責めずに受け入れた過去を振り返り、微笑みながら自嘲した台詞が、ずっと印象に残っています。時々、唱えたくなるくらいに。
仙台では26日連続で雨降り。おひさまの光が恋しいです。夕焼けとかも。暑いのは苦手ですが、さすがに今年の夏は寒いです。セロトニン不足になるし。
一人暮らしが寂しいしんどいと言い続けているわたしですが、最近、一緒に住まないか提案されました。
「絶対嫌!」と、考える間もなく即答してしまった自分に、自分でびっくりしました。
相手は、今まで一度も一人暮らしをしたことがない年下の女の子です。婚活中とのことですが、家事の一切をお母様任せにしているためか、言葉の節々から生活力の乏しさが伺えます。もちろん、家事は女性がやるべき、なんていうのは時代遅れですが、彼女は「働きたくない」と専業主婦希望なので家事をしないわけにはいかないでしょう。お母さんが部屋を掃除してくれないとゴミ屋敷になるとか、お母さんに「ご飯まだ!?」とキレているようでは、婚活が成功したとしてもその先は大丈夫なのかな、と心配になるのでした。篠田節子『女たちのジハード』で、エリート男性をでき婚に持ち込むものの、あまりの家事能力のなさに離婚されてしまう紀子を思い出します。彼女自身が以前一人暮らしについて相談してきたことがあったので、一度してみてはどうか言ってみたところ、できないとのことでした。
二人で暮らすことについて、あまりにわたしが強く拒んだので「そんなに強く言わなくても…」と落ち込まれてしまいました。すぐさま「二人暮らしだと彼氏できても部屋に呼べないよ~」と茶化しましたが、自分でも、冷たかったと思います。けれども、やっぱり『女たちのジハード』の紀子と康子の同居生活が浮かんでしまうのでした。康子による「自分のことも自分でできない人に結婚する資格があるのだろうか」というようなモノローグによって、その章は閉じられます。きっと、彼女のような人を「自分がついていてあげなくちゃ!」と守ってあげたくなる人もいるのだろうけれど。そのような人を新たに見つけて、紀子も康子の家を出ていくのだけれど。
いつもニコニコしておどけたことばかり言っている年上の同僚さんが、他愛ない会話の中にさらっと、まるで何でもないことのようにつらいことを混ぜてくることがあるので、どきりとします。そこで「えっ?」と立ち止まって話を広げることは望んでいないと思うので、わたしもさらっと流すのだけど。
いろいろなものを抱えている人ほど、かなしいくらい明るくて優しいように思います。そういう人は何かあっても、元気そうにしているから大丈夫なんだな、なんて表面で判断されて、ほんとうは大丈夫じゃない時まで放っておかれてしまうこともあるのではないでしょうか。一人でいる時に泣いているような気がして、無理している時もあるような気がして、気がかりです。
でも、わたしも見習って笑っていたいと思うのでした。
泣きながら渡ったかつての通勤の歩道橋から見えた夕焼け
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短歌とか映画とかこけしとか。
歌集『にず』(2020年/現代短歌社/¥2000)
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