川が好き。山も好き。
海を見て過ごした
目を閉じて高速バスに揺れおれば帰れない日の助手席へとぶ
「仕事で?」と聞かれて「はい」とうそぶけり女一人で浅虫温泉
オーシャンビュー一人じめするよろこびを一人じめしている六畳間
絵はがきに写し誰かへ送りたいような夕陽だ(誰かって、誰)
砂浜でじゃれあっている恋人達が旅館五階の窓から見える
ご夫婦で千葉から来たと言う人と分け合う展望風呂の夕焼け
赤い帯うまく結べずスカートのように浴衣がひろがってゆく
水曜の午前七時の海岸にスーツ姿の消えてまた来て
宿の朝飯が好きだと言っていたひととは終ぞ旅をせぬまま
「一人旅してきたよ」って言うための一人旅めく温泉まんじゅう
声にして涙と波が似ていると気づいた秋の海水浴場
今だっていつかは過去になることを知りつつも今さらわれたい青
でも君の最後の相思相愛の相手はわたしのままだ 潮騒
生きててもいいと思った天気予報外れて晴れた波打ち際で
海を見て過ごしただけの休日をいつかきらきら思い出そうね
***
連作投稿の特別作品に初めて投稿し、掲載していただきました。「傷心旅行だろうか(略)徐々に他人へと視線が移って行き、最後に自問する構成が光った」との淳さんの評。傷心旅行でした。そして2年前の連作でした。予定をぜんぶ飛ばして、ただただ海を見ながら、この連作の歌を詠んだ旅でした。
だいぶ寝かせることになりましたが、こうして日の目を見ることができてよかったです。
目を閉じて高速バスに揺れおれば帰れない日の助手席へとぶ
「仕事で?」と聞かれて「はい」とうそぶけり女一人で浅虫温泉
オーシャンビュー一人じめするよろこびを一人じめしている六畳間
絵はがきに写し誰かへ送りたいような夕陽だ(誰かって、誰)
砂浜でじゃれあっている恋人達が旅館五階の窓から見える
ご夫婦で千葉から来たと言う人と分け合う展望風呂の夕焼け
赤い帯うまく結べずスカートのように浴衣がひろがってゆく
水曜の午前七時の海岸にスーツ姿の消えてまた来て
宿の朝飯が好きだと言っていたひととは終ぞ旅をせぬまま
「一人旅してきたよ」って言うための一人旅めく温泉まんじゅう
声にして涙と波が似ていると気づいた秋の海水浴場
今だっていつかは過去になることを知りつつも今さらわれたい青
でも君の最後の相思相愛の相手はわたしのままだ 潮騒
生きててもいいと思った天気予報外れて晴れた波打ち際で
海を見て過ごしただけの休日をいつかきらきら思い出そうね
***
連作投稿の特別作品に初めて投稿し、掲載していただきました。「傷心旅行だろうか(略)徐々に他人へと視線が移って行き、最後に自問する構成が光った」との淳さんの評。傷心旅行でした。そして2年前の連作でした。予定をぜんぶ飛ばして、ただただ海を見ながら、この連作の歌を詠んだ旅でした。
だいぶ寝かせることになりましたが、こうして日の目を見ることができてよかったです。
PR
この記事にコメントする
カレンダー
プロフィール
HN:
おとも
性別:
女性
自己紹介:
短歌とか映画とかこけしとか。
歌集『にず』(2020年/現代短歌社/¥2000)
連絡・問い合わせ:
tomomita★sage.ocn.ne.jp
(★を@に変えてお送りください)
歌集『にず』(2020年/現代短歌社/¥2000)
連絡・問い合わせ:
tomomita★sage.ocn.ne.jp
(★を@に変えてお送りください)
ブログ内検索
カテゴリー
*