川が好き。山も好き。
今年も、叔母から梨の届く季節となりました。叔母は東京の郊外で梨農家をしています。仕事中に入った叔母からの留守電に、仕事が終わった後で折り返しの電話をかけました。受け取り出来る日はいつか、コロナで山形に帰れないねなんて話をしていたところ、叔母の旦那さんが代わりたいと言って電話に出てきました。
遠方なこともあり、叔母の旦那さんのおじさんとはあまり会ったり話したりしたことがありません。なんだろう、と少し身構えてしまいましたが、元気? がんばろうね、といった当り障りのない挨拶でした。それにしても妙にご機嫌です。酔っぱらってるのかな、なんだか子供に話してるみたいな声色だな、と思いました。
おじさんはわたしや叔母と違って元から東京の人ですから、東京のイントネーションが甘ったるく聴こえるのだろうか、と考えて、もしかしたらおじさんの中でわたしは初めて会った時の小学生の頃の印象で止まっているのでは、と思い当たりました。というか、わたしの中でおじさんが初めて会った時の40代前半ぐらいの印象で止まっているのです。
今おじさんはいくつになっているでしょうか。東京のおじさんというより、もはや東京のおじいさんだし、わたしもおばさんなのでした。
あれはどこのじいさんと思えば父なりき畑で鍬を振るうすがたの 『にず』
遠方なこともあり、叔母の旦那さんのおじさんとはあまり会ったり話したりしたことがありません。なんだろう、と少し身構えてしまいましたが、元気? がんばろうね、といった当り障りのない挨拶でした。それにしても妙にご機嫌です。酔っぱらってるのかな、なんだか子供に話してるみたいな声色だな、と思いました。
おじさんはわたしや叔母と違って元から東京の人ですから、東京のイントネーションが甘ったるく聴こえるのだろうか、と考えて、もしかしたらおじさんの中でわたしは初めて会った時の小学生の頃の印象で止まっているのでは、と思い当たりました。というか、わたしの中でおじさんが初めて会った時の40代前半ぐらいの印象で止まっているのです。
今おじさんはいくつになっているでしょうか。東京のおじさんというより、もはや東京のおじいさんだし、わたしもおばさんなのでした。
あれはどこのじいさんと思えば父なりき畑で鍬を振るうすがたの 『にず』
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新型コロナウイルスのためにしばらく再放送だった朝ドラ「エール」の、本放送が再開しました。ここ数日は遅番なのをいいことに寝ぼけているので話半分ですが、主人公の裕一の家に、弟子になりたいという人が通い詰めていました。断られても断られてもめげずに「弟子にしてください!」と掛け合い続けるのを、おそろしく思いながら二度寝しました。
相手が困っているのに自分の気持ちを押し通そうとするなんて、無理。わたしには絶対にできない。そもそも、人に頼みごとをすることすらわたしは不得意で、迷惑をかけないだろうか、嫌がられないだろうか、お礼に何をしたらいいか、いちいち気にして心労を伴うのです。自分の頼みごとによって相手の時間を奪ってしまうのも申し訳なく、自分でやってしまうというのもめずらしくありません。気兼ねなく頼めるのは「そこのしょうゆ取って」ぐらいではないかという気がしています。自分が何か頼まれる分には、「了解でーす☆」ぐらいのノリで引き受けることがほとんどなのに、なんだって逆となるとこんなにくるしいのでしょうか。
人を信用していない――というより、自分のような者の依頼が快く受け止めてもらえるという状況を想像できない、自分に対しての不信なのかもしれないなあと思ったりするのでした。今の仕事は誰にも何も指示をしなくてもいい下っ端の立場であるということに救われていますが、「今日の歌会記書いてもらっていいですか」とか役割的に頼みごとをする機会は日々訪れます。
根負けして、裕一は弟子入り志願の人を住み込みで受け入れていました。わたしみたいにあれこれ気にしてぐだぐだするより、誰にどう思われようが自分の気持ちで突き進むことのできる人の方が人生も拓けてゆくのでしょう。その真っすぐな人柄も愛されてゆくのでしょう。志村けんだっていかりや長介の家に通い詰めたといいます。ドラマの中だけでなく、実話でもよく聞く話です。
わたしにはそんなに何かを強く願うことがあっただろうか、とぼんやりしながら、「エール」の背景にちらちら映るこけしが気になっているのでした。
さわっても抱いても濃厚接触にならぬこけしの微笑むばかり
相手が困っているのに自分の気持ちを押し通そうとするなんて、無理。わたしには絶対にできない。そもそも、人に頼みごとをすることすらわたしは不得意で、迷惑をかけないだろうか、嫌がられないだろうか、お礼に何をしたらいいか、いちいち気にして心労を伴うのです。自分の頼みごとによって相手の時間を奪ってしまうのも申し訳なく、自分でやってしまうというのもめずらしくありません。気兼ねなく頼めるのは「そこのしょうゆ取って」ぐらいではないかという気がしています。自分が何か頼まれる分には、「了解でーす☆」ぐらいのノリで引き受けることがほとんどなのに、なんだって逆となるとこんなにくるしいのでしょうか。
人を信用していない――というより、自分のような者の依頼が快く受け止めてもらえるという状況を想像できない、自分に対しての不信なのかもしれないなあと思ったりするのでした。今の仕事は誰にも何も指示をしなくてもいい下っ端の立場であるということに救われていますが、「今日の歌会記書いてもらっていいですか」とか役割的に頼みごとをする機会は日々訪れます。
根負けして、裕一は弟子入り志願の人を住み込みで受け入れていました。わたしみたいにあれこれ気にしてぐだぐだするより、誰にどう思われようが自分の気持ちで突き進むことのできる人の方が人生も拓けてゆくのでしょう。その真っすぐな人柄も愛されてゆくのでしょう。志村けんだっていかりや長介の家に通い詰めたといいます。ドラマの中だけでなく、実話でもよく聞く話です。
わたしにはそんなに何かを強く願うことがあっただろうか、とぼんやりしながら、「エール」の背景にちらちら映るこけしが気になっているのでした。
さわっても抱いても濃厚接触にならぬこけしの微笑むばかり
職場のドレスコードが厳しくないことをよいことに、普段はスニーカーなど歩きやすい靴を履いていますが、仕事の面談があったので、ビジネス仕様のパンプスを久しぶりに履きました。
自宅から駅まで徒歩15分、駅に着く前に靴擦れが発症しました。右足のかかとの上の方、小指の外側、親指の下。炎症を起こす場所なんてだいたい決まっているのに、油断していました。歩く度、擦れて痛く、水ぶくれが広がってゆきます。まだ自宅を出てたった数分なのに、地下鉄を降りてからも15分歩かなきゃいけないのに。
よたよたと歩き、一息吐けたところで絆創膏を貼りました。少し楽になりました。でも、靴を履く前に貼っておけばもっとよかったのです。とはいっても、確かに靴擦れを起こしやすい靴とはいえ、大丈夫な時もあるし、その時は大丈夫でも後になって不調が出てくるときもあるのだから、人の体は不思議です。
わたしは自分の私生活の鬱憤を晴らすために鍋を作業台にバンバン叩きつけている、と、昔の仕事の上司に怒られたことがありました。わたしは鍋を叩きつけたりなんてしていないし、私生活の鬱憤晴らしというのも思い当たるふしがないので、していませんと言ったのですが、信じてもらえませんでした。「見たんですか?」と聞きましたが、「見なくてもわかる」と怒鳴られました。そのような、意味のわからないことで呼び出されては怒られていた日々がありました。
週3回働くパートさんが、何か上司に吹き込んでいたのでした。どうして上司がパートさんの言うことのみ妄信するのかもよくわかりませんでしたが、自分にはそのパートさんのように信用してもらえる魅力がないのだと思いました。
わたしはパートさんに指示をする立場にありましたが、腰の低い丁寧な言い方を心がけていたし、何かミスがあって注意をする時でも声を荒げたりしたことはなく、できるだけ自分の失敗談も交えながら理由を説明するようにしていました。その前の職場では、優しいと言われたこともありました。けれども、自分が思っているような自分ではなかったのでしょう。わたしの態度にパートさんは傷ついて、何度も上司に訴えていました。
「何か困っていることはないですか?」と聞かれて、「特にないです。最近、机がソーシャルディスタンス仕様になったのが快適です」と答えて、思いのほか早くにこやかに面談は終わりました。実際、今の仕事で特に困ったことはないのです。
面談をした中には30分も1時間も不満を訴えた人もいたようです。同じ場所にいて同じ人と関わっていても、感じ方や見えているものが違うのかもしれません。
人によって受け取り方が違っていても、自分も含め当人にとってはそれが事実なのでしょうし、人の心はそれぞれですから、どれが正解というものでもないでしょう。今の職種でクレーム対応をすることもあって、傷ついた、傷ついたと申し立てる人の強さを、この頃は思います。
パンプスを履く前に貼るばんそうこう傷つく前に貼るばんそうこう 『にず』
自宅から駅まで徒歩15分、駅に着く前に靴擦れが発症しました。右足のかかとの上の方、小指の外側、親指の下。炎症を起こす場所なんてだいたい決まっているのに、油断していました。歩く度、擦れて痛く、水ぶくれが広がってゆきます。まだ自宅を出てたった数分なのに、地下鉄を降りてからも15分歩かなきゃいけないのに。
よたよたと歩き、一息吐けたところで絆創膏を貼りました。少し楽になりました。でも、靴を履く前に貼っておけばもっとよかったのです。とはいっても、確かに靴擦れを起こしやすい靴とはいえ、大丈夫な時もあるし、その時は大丈夫でも後になって不調が出てくるときもあるのだから、人の体は不思議です。
わたしは自分の私生活の鬱憤を晴らすために鍋を作業台にバンバン叩きつけている、と、昔の仕事の上司に怒られたことがありました。わたしは鍋を叩きつけたりなんてしていないし、私生活の鬱憤晴らしというのも思い当たるふしがないので、していませんと言ったのですが、信じてもらえませんでした。「見たんですか?」と聞きましたが、「見なくてもわかる」と怒鳴られました。そのような、意味のわからないことで呼び出されては怒られていた日々がありました。
週3回働くパートさんが、何か上司に吹き込んでいたのでした。どうして上司がパートさんの言うことのみ妄信するのかもよくわかりませんでしたが、自分にはそのパートさんのように信用してもらえる魅力がないのだと思いました。
わたしはパートさんに指示をする立場にありましたが、腰の低い丁寧な言い方を心がけていたし、何かミスがあって注意をする時でも声を荒げたりしたことはなく、できるだけ自分の失敗談も交えながら理由を説明するようにしていました。その前の職場では、優しいと言われたこともありました。けれども、自分が思っているような自分ではなかったのでしょう。わたしの態度にパートさんは傷ついて、何度も上司に訴えていました。
「何か困っていることはないですか?」と聞かれて、「特にないです。最近、机がソーシャルディスタンス仕様になったのが快適です」と答えて、思いのほか早くにこやかに面談は終わりました。実際、今の仕事で特に困ったことはないのです。
面談をした中には30分も1時間も不満を訴えた人もいたようです。同じ場所にいて同じ人と関わっていても、感じ方や見えているものが違うのかもしれません。
人によって受け取り方が違っていても、自分も含め当人にとってはそれが事実なのでしょうし、人の心はそれぞれですから、どれが正解というものでもないでしょう。今の職種でクレーム対応をすることもあって、傷ついた、傷ついたと申し立てる人の強さを、この頃は思います。
パンプスを履く前に貼るばんそうこう傷つく前に貼るばんそうこう 『にず』
帰省できるかな、と思い有給を使ってお盆に3連休を取っていましたが、自粛ムードが強くなってきたので、あきらめて自宅で過ごしました。祖母の通っているデイサービスでも、家族が帰省してくる場合は書類の提出が必要だったりちょっとめんどうになってきたのです。祖母も93歳なので、会えるうちに会えるだけ会っておきたいですが、こういう世の中なので仕方ないです。リモート帰省とかもできればいいのかなあと思うのですが、わたしも実家も最新技術に疎くてままならず。
どんどん時代に取り残されている気もしてきますが、ハガキや手紙などのアナログ通信も楽しい今日この頃。いろいろ落ち着いたら手紙もこれから書いてゆきたいし、新しいことも覚えていろんなことができたらいいなあと思います。
連日の真夏日で、ベランダの鉢に毎日何度も水遣りをしています。気がつくと土がからからで、葉がしょぼしょぼしています。植物も命なのだと実感させられます。命を預かっているのだ、わたしは。
土や葉はからからですが、わたしは汗だくです。人の体から、特に背中からどうしてこんなに水が出てくるのかほんとうに不思議。いい加減にエアコンを買うべきなのですが、あと少し我慢すればこの暑さも終わるのだ、と毎年やり過ごしてしまいます。
米を炊こうか、素麺を茹でようか、と悩んで素麺を茹でる夏の日々です。
素麺を茹でる速さで夏は過ぎ少し老いたるわたしが残る 『にず』
どんどん時代に取り残されている気もしてきますが、ハガキや手紙などのアナログ通信も楽しい今日この頃。いろいろ落ち着いたら手紙もこれから書いてゆきたいし、新しいことも覚えていろんなことができたらいいなあと思います。
連日の真夏日で、ベランダの鉢に毎日何度も水遣りをしています。気がつくと土がからからで、葉がしょぼしょぼしています。植物も命なのだと実感させられます。命を預かっているのだ、わたしは。
土や葉はからからですが、わたしは汗だくです。人の体から、特に背中からどうしてこんなに水が出てくるのかほんとうに不思議。いい加減にエアコンを買うべきなのですが、あと少し我慢すればこの暑さも終わるのだ、と毎年やり過ごしてしまいます。
米を炊こうか、素麺を茹でようか、と悩んで素麺を茹でる夏の日々です。
素麺を茹でる速さで夏は過ぎ少し老いたるわたしが残る 『にず』
実家から野菜が届きました。夏野菜の季節です。キュウリ、ナス、タマネギ、ピーマン、ジャガイモ、ズッキーニ、キャベツ、レタス。売り物にならない変な形のさくらんぼも入ってます。
キュウリとナスが一緒に届いたら、だしを作りたくなるのが山形人です。タマネギもあるので入れよう。ベランダの青じそも入れよう。ご飯やそうめん、冷奴にかけて食べよう。
残りのキュウリは冷やし中華の具か、レタス、キャベツと一緒にサラダにしよう。ジャガイモがあるのでポテトサラダもいいな。塩もみしたタマネギも入れよう。
残りのナスは素揚げにするか、ピーマンと一緒に炒めよう。味付けはしょうゆでも味噌でもいい。ナスもピーマンも肉詰めにするのもいいかもしれない、みじん切りにしたタマネギを肉に混ぜて。
トマト缶があるので、タマネギとピーマンとナスでパスタソースも作れそう。ジャガイモの薄切りをピザ生地に見立てたピザも久しぶりに作りたい。タマネギとピーマンのスライスをトッピングして。わたしが子供の頃、叔母がこのピザをよく作ってくれたのです。
夏だから冷製のビシソワーズもいいな。ジャガイモ1個で作れるでしょう。いろんな野菜を少しずつとキャベツとでコンソメジュリエンヌスープもいいな。ジャガイモ、タマネギ、ナス、キャベツは普通に味噌汁でもいいな。皮を剥いたキュウリも実家の味噌汁に入っていた気がする。
ズッキーニは炒めて塩コショウで味付けするか、マヨ炒めばかりしてしまうけれど、結局シンプルな食べ方がおいしいと思うのです。
いろいろ思いめぐらせながら、買出しに出かけました。まだ安心して外出できる気がしないので、買出しは週一回に抑えたいところ。野菜はあるので、お肉や卵、調味料を買います。店員さんからしたら野菜を食べないで肉ばっかり食べている人に見えるんじゃないか、と変なところが気になったりします。
それにしてもしょうゆや牛乳を買うとエコバッグが重たい。ごま油とか酢とか瓶に入っているものも重たい。それ以上に実家から届いた荷物の方が重たいのだから、ありがたいものです。
実家から荷物の届いたその日に、妹宅へ、妹と甥っ子の誕生日祝いの荷物を送りました。宅配便の営業所もソーシャルディスタンス仕様で店内に2人しか入れません。少し外で待ちました。
時々母に「そんなに送ってこなくていいよ」と伝えるけれども、荷物を送ることがそんなに苦ではない、あれもこれも送りたい、というような気持ちは、自分が送る側になってわかることでもあるなあと気づくのでした。
故郷のなすときゅうりにベランダのしそを刻んでだし作りおり
キュウリとナスが一緒に届いたら、だしを作りたくなるのが山形人です。タマネギもあるので入れよう。ベランダの青じそも入れよう。ご飯やそうめん、冷奴にかけて食べよう。
残りのキュウリは冷やし中華の具か、レタス、キャベツと一緒にサラダにしよう。ジャガイモがあるのでポテトサラダもいいな。塩もみしたタマネギも入れよう。
残りのナスは素揚げにするか、ピーマンと一緒に炒めよう。味付けはしょうゆでも味噌でもいい。ナスもピーマンも肉詰めにするのもいいかもしれない、みじん切りにしたタマネギを肉に混ぜて。
トマト缶があるので、タマネギとピーマンとナスでパスタソースも作れそう。ジャガイモの薄切りをピザ生地に見立てたピザも久しぶりに作りたい。タマネギとピーマンのスライスをトッピングして。わたしが子供の頃、叔母がこのピザをよく作ってくれたのです。
夏だから冷製のビシソワーズもいいな。ジャガイモ1個で作れるでしょう。いろんな野菜を少しずつとキャベツとでコンソメジュリエンヌスープもいいな。ジャガイモ、タマネギ、ナス、キャベツは普通に味噌汁でもいいな。皮を剥いたキュウリも実家の味噌汁に入っていた気がする。
ズッキーニは炒めて塩コショウで味付けするか、マヨ炒めばかりしてしまうけれど、結局シンプルな食べ方がおいしいと思うのです。
いろいろ思いめぐらせながら、買出しに出かけました。まだ安心して外出できる気がしないので、買出しは週一回に抑えたいところ。野菜はあるので、お肉や卵、調味料を買います。店員さんからしたら野菜を食べないで肉ばっかり食べている人に見えるんじゃないか、と変なところが気になったりします。
それにしてもしょうゆや牛乳を買うとエコバッグが重たい。ごま油とか酢とか瓶に入っているものも重たい。それ以上に実家から届いた荷物の方が重たいのだから、ありがたいものです。
実家から荷物の届いたその日に、妹宅へ、妹と甥っ子の誕生日祝いの荷物を送りました。宅配便の営業所もソーシャルディスタンス仕様で店内に2人しか入れません。少し外で待ちました。
時々母に「そんなに送ってこなくていいよ」と伝えるけれども、荷物を送ることがそんなに苦ではない、あれもこれも送りたい、というような気持ちは、自分が送る側になってわかることでもあるなあと気づくのでした。
故郷のなすときゅうりにベランダのしそを刻んでだし作りおり
6月に入ってから、一気に朝の地下鉄が混み合ってきました。休業要請のあった職場が再開したり、テレワークをしていた方々が復帰したりしたのでしょう。カバンを肩にかけたまま文庫本でも読めるゆとりがあればいいのですが、カバンを手に持ち換えて下に下げないと人が収まらないような窮屈さです。
でも、体が触れないだけまだましです。コロナ禍前のラッシュ時はまだこんなものではありませんでした。このままテレワークも併用したり、新しい働き方が定着してきたりするのでしょうか。アフターコロナ、という言葉もこの頃気になります。
4月半ばから始まった臨時業務は現在も継続中です。当初は緊急事態宣言の5月6日までと聞いていたのが、延長の、延長になりました。もうすっかりなじんでしまい、今となっては元の業務よりこっちの方が向いている気がするなあ、ぐらいになってきました。とはいえ、コロナ禍ゆえに需要の出てきた業務なので、状況に合わせてまた変わってゆくのでしょう。なんにしても、仕事があるだけありがたいです。
世の中のムードにつられ、「おうち時間充実させよー」なんて自分もステイホームしていた気分でしたが、普通に出社して週5日の8時間勤務で、おうち時間が増えたりしていませんでした。
それでも塔5月号が早く読み終わったので、三島由紀夫『花ざかりの森・憂国ー自選短編集ー』を読みました。『海と夕焼』『橋づくし』『百万円煎餅』あたりを特におもしろく読み、表題作で代表作とされる『憂国』を後回しにして取っておきました。
お昼の休憩時間に満を持して『憂国』を読んだら、食欲がすっかり失せてしまいました。冷凍庫整理で作った、鰆とゴボウの味噌煮の弁当は食べ終えていたのが救いです。話の内容とか思想とかではなく、単純にスプラッター描写がわたしは不得手なのでした。でも、なにかすごく美しく官能的な世界でした。
おうち時間が増えたりはしていませんが、外出を控えて筋トレしたり、スコーンなどの手作りおやつを作ったり、メールで歌会をしたり、ベランダで桃の木を育てたり、おうち時間は楽しくしています。東北も今日から梅雨に入りました。
観覧車が休憩室の窓に見ゆカウントダウンみたいな日々だ
でも、体が触れないだけまだましです。コロナ禍前のラッシュ時はまだこんなものではありませんでした。このままテレワークも併用したり、新しい働き方が定着してきたりするのでしょうか。アフターコロナ、という言葉もこの頃気になります。
4月半ばから始まった臨時業務は現在も継続中です。当初は緊急事態宣言の5月6日までと聞いていたのが、延長の、延長になりました。もうすっかりなじんでしまい、今となっては元の業務よりこっちの方が向いている気がするなあ、ぐらいになってきました。とはいえ、コロナ禍ゆえに需要の出てきた業務なので、状況に合わせてまた変わってゆくのでしょう。なんにしても、仕事があるだけありがたいです。
世の中のムードにつられ、「おうち時間充実させよー」なんて自分もステイホームしていた気分でしたが、普通に出社して週5日の8時間勤務で、おうち時間が増えたりしていませんでした。
それでも塔5月号が早く読み終わったので、三島由紀夫『花ざかりの森・憂国ー自選短編集ー』を読みました。『海と夕焼』『橋づくし』『百万円煎餅』あたりを特におもしろく読み、表題作で代表作とされる『憂国』を後回しにして取っておきました。
お昼の休憩時間に満を持して『憂国』を読んだら、食欲がすっかり失せてしまいました。冷凍庫整理で作った、鰆とゴボウの味噌煮の弁当は食べ終えていたのが救いです。話の内容とか思想とかではなく、単純にスプラッター描写がわたしは不得手なのでした。でも、なにかすごく美しく官能的な世界でした。
おうち時間が増えたりはしていませんが、外出を控えて筋トレしたり、スコーンなどの手作りおやつを作ったり、メールで歌会をしたり、ベランダで桃の木を育てたり、おうち時間は楽しくしています。東北も今日から梅雨に入りました。
観覧車が休憩室の窓に見ゆカウントダウンみたいな日々だ
服装は割と自由な仕事ではありますが、この閑散とした街で不要不急な外出をしていると思われないように、オフィスカジュアル色の強い恰好を心がけて「仕事なんです!」とアピールしつつ通勤しています。こうした時期なので、職場では席がソーシャル・ディスタンス仕様になったり、検温や消毒なども実施されています。心理的には窮屈になってきましたが、命を守るのだと思えば。時々の楽しみだった仕事前や仕事帰りのカフェも自粛しました。帰宅したら速攻で手を洗ってて感染予防に努めています。
仕事でやむを得ず外出する分、買い物など他の外出を控えられるように、保存の利く干し野菜を作り始めました。天気がいい時は、干し野菜用のネットに多めに買った野菜を入れてベランダに吊るします。にんじん、ニラ、レタス、しいたけ、しめじなどいろいろ。外出自粛中でも、ベランダで出て作業をすることで陽を浴びられて元気が出ます。
街の中でも職場でも布マスクをしている人が増えてきました。不織布のマスクが売っていないから、というのもありますが、ここまで定着したのはやっぱりテレビ見る全国の知事の方々、特に小池百合子都知事の布マスク姿が大きいんじゃないかと思います。地方の知事の方が県のゆるキャラなどのマスクをしているのには郷土愛を感じるし、「今日はどんな柄かな」と百合子マスクに注目するのも楽しいです。率先して布マスクを着用してメディアに映っている方々を見ると、明治時代に日本の女性の洋装普及のために率先して洋服を着ていらしたという昭憲皇太后のエピソードを思い出したりもします。
わたしも、先日の考えの通り、越中ふんどしをマスクにリメイクしてみました。ふんどしというか元々は手ぬぐいですので抗ウイルス効果は期待できませんが、咳エチケットぐらいには役立つんじゃないでしょうか。
ひもすがら蛍光灯をひからせてオフィスオフィスとにぎやかなりき
仕事でやむを得ず外出する分、買い物など他の外出を控えられるように、保存の利く干し野菜を作り始めました。天気がいい時は、干し野菜用のネットに多めに買った野菜を入れてベランダに吊るします。にんじん、ニラ、レタス、しいたけ、しめじなどいろいろ。外出自粛中でも、ベランダで出て作業をすることで陽を浴びられて元気が出ます。
街の中でも職場でも布マスクをしている人が増えてきました。不織布のマスクが売っていないから、というのもありますが、ここまで定着したのはやっぱりテレビ見る全国の知事の方々、特に小池百合子都知事の布マスク姿が大きいんじゃないかと思います。地方の知事の方が県のゆるキャラなどのマスクをしているのには郷土愛を感じるし、「今日はどんな柄かな」と百合子マスクに注目するのも楽しいです。率先して布マスクを着用してメディアに映っている方々を見ると、明治時代に日本の女性の洋装普及のために率先して洋服を着ていらしたという昭憲皇太后のエピソードを思い出したりもします。
わたしも、先日の考えの通り、越中ふんどしをマスクにリメイクしてみました。ふんどしというか元々は手ぬぐいですので抗ウイルス効果は期待できませんが、咳エチケットぐらいには役立つんじゃないでしょうか。
ひもすがら蛍光灯をひからせてオフィスオフィスとにぎやかなりき
新型コロナウイスの感染拡大に伴い、緊急事態宣言が全国にも出され仙台の街中も閑散としてきました。が、週5で出社しております。ただ、これまでの業務は一時的に縮小になったため、一時的に別部署の仕事をすることになりました。おかげで勤務時間が変わり、これまで元々時差出勤だったのが、満員電車に乗る羽目になってしまいました。平時ほどぎゅうぎゅう詰めではないとはいえ、密です。よりクレーム対応が多いとも聞いています。心も荒みがちな世の中になってきたのでしょうがないです。業務縮小によって契約を切られたりはしなかったのが救いかもしれないのでした。
母は花農家で働いていますが、花を飾る行事がことごとく中止になっているため影響が大きいようです。沿道を飾るために植えた花を抜きに行かなきゃいけない、と冗談のように笑っていました。笑うしかない状況なのかもしれません。
パートが休みになっている妹から、手作りマスクが届きました。10年くらい前の女性用ふんどしブームの時に手ぬぐいで作ったものの思いのほか実用的でなく未使用だった越中ふんどしをマスクに作り替えようかな、と思っていたところだったので、ありがたいです。手作りマスクをしている人も珍しくなくなってきました。
妹にお礼の電話をかけたところ、甥っ子が話したがっていて代わりました。4歳の甥っ子とは物心つく前にしか会ってないような気がするのですが、甥っ子にとってどのような存在なんだろうなあ、わたしは。「コロナで公園にいけない」と愚痴ってきたので「さびしいね、おうちでピアノ弾いてあそうぼうね」と言ったら「はい」と返事が返ってきました。聞き分けが、なんていいのでしょう。マスクのお返しにふんどしを作って送ろうかしら、と思いました。
柳になって仕事してると言う人の「申し訳ございません」すがし
母は花農家で働いていますが、花を飾る行事がことごとく中止になっているため影響が大きいようです。沿道を飾るために植えた花を抜きに行かなきゃいけない、と冗談のように笑っていました。笑うしかない状況なのかもしれません。
パートが休みになっている妹から、手作りマスクが届きました。10年くらい前の女性用ふんどしブームの時に手ぬぐいで作ったものの思いのほか実用的でなく未使用だった越中ふんどしをマスクに作り替えようかな、と思っていたところだったので、ありがたいです。手作りマスクをしている人も珍しくなくなってきました。
妹にお礼の電話をかけたところ、甥っ子が話したがっていて代わりました。4歳の甥っ子とは物心つく前にしか会ってないような気がするのですが、甥っ子にとってどのような存在なんだろうなあ、わたしは。「コロナで公園にいけない」と愚痴ってきたので「さびしいね、おうちでピアノ弾いてあそうぼうね」と言ったら「はい」と返事が返ってきました。聞き分けが、なんていいのでしょう。マスクのお返しにふんどしを作って送ろうかしら、と思いました。
柳になって仕事してると言う人の「申し訳ございません」すがし
5月の白石市の全日本こけしコンクールが、新型コロナウイルス感染拡大防止のために中止と聞きました。楽しみにしていたので寂しいです。会場で密集して並んでいるのは主に人ではなく、人に似たこけしなのに。こけしも人として数えられてしまったのでしょうか。残念ですが、健康あってのものですのでまたの機会を楽しみにしましょう。
通勤の道にオオイヌノフグリが咲き始めました。小さな花がとてもかわいい。近づいて見れば花畑のようです。誰かが育ているわけでもないのに、と思うとなんだかほんとうに不思議です。オオイヌノフグリにハコベ、ヒメオドリコソウ、足下が華やかです。つくしも顔を出し始めました。
行きと帰りは別の道ですが、帰りの道では梅の木と柳の木の側を通ります。梅は夜ごとに花が開いてゆき、冬の間は紐がぶら下がっているみたいだった柳の枝も日に日に緑を増してゆきます。
各地のお花見の名所も今年は自粛ムードですが、道端の花見も楽しいものです。
つくしの背の伸びゆくことを唯一の楽しみとして日々通勤す
通勤の道にオオイヌノフグリが咲き始めました。小さな花がとてもかわいい。近づいて見れば花畑のようです。誰かが育ているわけでもないのに、と思うとなんだかほんとうに不思議です。オオイヌノフグリにハコベ、ヒメオドリコソウ、足下が華やかです。つくしも顔を出し始めました。
行きと帰りは別の道ですが、帰りの道では梅の木と柳の木の側を通ります。梅は夜ごとに花が開いてゆき、冬の間は紐がぶら下がっているみたいだった柳の枝も日に日に緑を増してゆきます。
各地のお花見の名所も今年は自粛ムードですが、道端の花見も楽しいものです。
つくしの背の伸びゆくことを唯一の楽しみとして日々通勤す
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プロフィール
HN:
おとも
性別:
女性
自己紹介:
歌集『にず』(2020年/現代短歌社/本体¥2000)
連絡・問い合わせ:
tomomita★sage.ocn.ne.jp
(★を@に変えてお送りください)
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