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川が好き。山も好き。
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東北大学短歌会の歌会に参加してきました。社会人や主婦の方もいるよ、と聞いていたので、大学短歌会とはいってももっと開けた感じなのかなと思っていたのですが、当然のごとく大学生やOBの方々が多く、見事にぶっちぎりで最年長でした。でも、普段は年上の方とばかり歌会をしているので、若い方々の歌を読んだり評を聞けたりするのは新鮮でした。わたしも、普段の結社の歌会では作者バレするので出せないような若めの歌を提出しました。
 参加者は13人ほど。歌会をやるに丁度良いくらいの人数。そして大学生を中心をした若い人だけでこんなに参加者がいるのもすごいことです。

 結社の歌会の懇親会などでよく話題になるのが「最近の若い人の歌は、頭の良さを競い合っているみたい」というもの。
 実際に大学短歌会という若い人達の歌会に参加してみると、詠草一覧を見てもなんだか難しくてわたしには読みきれないものがほとんどでした。評に関しても、みんな難しいことを言っているなあーといった印象を受けました。わたしなんてほとんど高卒だもんなー。

 若くて短歌をやっている人がこんなにいるのか。白熱してるなー。男子率高いなー(結社の歌会は最近女子会化している)。大学生なんて多感な時期にこんなに同世代で同じ趣味の人と集えたら楽しいんだろうなー。いいなー、青春だなー。なんてことを考えたりしました。
 機会があれば、またお邪魔してみたく思います。

  ユニクロのTシャツ二人かぶりたる東北大学短歌会歌会

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両親が今朝採りのさくらんぼを届けに来てくれた。毎年、職場のおすそ分け用などに宅配便で送ってくれるのだけれど、今年は直に届けに来てくれた。
 両親が自宅に来てくれることが、この頃ずい分多くなった。昔はもっと距離があった。憎んでいた頃さえあった。けれど、今はいろんな話もする。家族らしくなってきたと思う。

 基本的には自宅で自炊の夕飯を一人で取ることの多いわたしが、この頃はいろいろお誘いをいただいて外食をしたりもする。大抵はガールズトークの聞き役だったりするのだけど、それはそれで興味深いし、誰かと共に食事を取ることは楽しい。

 仕事は、不安定だけれど、マイペースに進められるし、人間関係もざっくりしていて、ストレスもほとんどなく働けている。給料日、お給料もそこそこもらえてた。一生ものの仕事じゃない。でも、こういう働き方をしている人はいっぱいいる。いっぱいいるということがわかってきた。こんな感じでいいのかもしれない。こんな感じでいいかもしれない。仕事で心も体もぼろぼろになってた頃に比べれば。

 昨日は歌会で福島に行ってきた。楽しかった。心の支えになり得る趣味を持てていることを、うれしく思う。来週も、普段とは違う歌会へ初参加する予定。どんな感じか楽しみ。新しい出会いもあるでしょう。短歌はわたしを様々なところに連れ出してくれる。連れ出されてゆく自分を、おもしろく思う。

 人と会う予定がいくつかある。会いたい人がいるということ。わたしに会いたいと思ってくれている人がいるということ。

 今が一番いい時。小津安二郎映画によく出てくる言葉だけれど、今が一番しあわせかもしれないな、ってこの頃つくづく思う。
 わたしは震災以降ずっと大きな傷みを心に抱えてきていて、でも、笑えて過ごせるようになった日々の中で、いつしかそうした傷みを忘れつつあることに気づいた。
 このまま忘れきってしまえばいい、と思う一方で、忘れてゆくことを、寂しくも思う。だって、忘れることができるなんて思っていなかったから。あの傷みを、いつまでも引きずるつもりでいたから。
 わたしの悪い癖だ。過去を引きずったり未来を憂うより、今を大事にすればいい。今の自分を一番大事にすればいい。
 去年の今頃は、仕事を休職したりして(そののち結局辞めて療養生活に入って)、今の自分がこんなに笑えて暮らせているなんて思いもよらなかった。去年の今頃を思えば、今の自分なんて充分にしあわせ、泣きたいくらいに。

 さくらんぼ、おいしかった。山形の人は、とかく6月になるとさくらんぼを送る。地元を離れた人は、地元から取り寄せて配ったりする。わたしも、さくらんぼを食べに6月に帰郷していた頃があった。さくらんぼは山形人の心なのだ。

  六月に桜桃が届く これだから心底母を恨めやしない



(今朝とか昨日とか言っているうちに日付が変わってしまった。この文章は2015年5月15日に書きました。)

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早朝から怒涛の恋愛相談メール。今まで一度も男女交際経験のない、一回りほど年下の彼女は、只今片思いアプローチの真っ最中なのだ。
 30代独身Aセクシャル気味なわたしに意見を伺ったところであんまり参考にならないかもよー、と思いつつ、彼女曰くわたしは聞き上手らしく、なんとか取り付けた彼とのデートに、立ち会って会話が止まった時などにフォローしてほしいとの依頼まで受けてしまう。さすがに、二人っきりで会った方がいいのでは、と遠慮したけれど、作戦会議がしたいとのことで仕事終わりに会う約束をする。
 彼女は、同級生にちらほら結婚する子も出てくるような年齢の割に、とんでもなく純粋で、恋愛相談も「こんなメールを送った」「こんな返事が来た」と開けっぴろげで中学生のようである。なんにしても、恋をしている女の子は可愛いものだ。

 仕事終わり、約束の彼女と会った。来週のカラオケデートの予行練習として、どんな曲を歌ったらいいか見ることになった。なんだかよくわからないコアなアニメソングばかり歌いながら「告白されてみたい」「頭を撫でてもらいたい」と饒舌な彼女に、とりあえず「アニメの画面が出てきちゃうと恋愛っぽい雰囲気じゃなくなるし、子供っぽいオタクっぽいって引かれちゃうかもしれないから、お得意のアニメソングは封印して、西野カナとか歌った方がいいよ!」と助言した。

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当初こそ割とやっつけな気分で勤めていた今の仕事ですが、今は普通にまじめに就業しています。最初は上司陣の派手な格好に面食らっていたわたしでしたが、思ったよりあやしい仕事ではなく、ちゃんとした仕事だということがわかってきました。他のスタッフに関しても、一時期たくさんいたギャル子ちゃん達が次第に脱落していったりで、落ち着いた人が残ってきて職場の雰囲気が落ち着いてきたのもあります。尤も、一緒にお弁当を食べていた同僚さんが契約更新されなくて4月で終了になってしまい、5月からは一人昼食になったのはちょっと寂しいですが。休憩室でも一人の人は多いし、わたしは読書などをして過ごしています。

 先日は、隣の席で大きなクレームを処理していた上司が格好良かったです。電話口で、丁寧な謝罪の言葉が淀みなくすらすらと流れて。受話器置いた後めちゃめちゃ疲れていました。「疲れたー」って言っていました。ああいう仕事、疲れると思います。「上の者に代われ」って怒鳴られて代わったパターンでしょうか、あれは。決して容姿がすてきな方ではないのですが、冷静に淡々と確実に仕事をこなす姿は格好良く映るものですね。わたしは口下手なので、言葉の流暢さがうらやましいとも思いました。

 わたしも契約で仕事をしていて不安定な身の上ではありますが、職場の場所も通いやすくて街中なので気分も華やぎますし、働けるうちはがんばってみようと思います。

  あこがれのスターが「バイト探してる 地獄」だなんて歌う せつない

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離れて暮らしている妹と、10ヶ月も会えなさそうなので、写真をお手紙で送ってもらいました。妊婦姿の妹を見てみたいと思ったのです。
 封筒を開けて、写真の中の妹のふくらんだお腹を目にした途端、ぼろぼろと涙がこぼれてしまって、そんな自分に困惑しました。
 わたしと妹は仲が良いし、わたし自身には出産願望はないので、先を越されて悔しいというような嫉妬心、哀しい悔しいといった気持ちはありません。かといって、ものすごく子供大好き楽しみおめでとう早く甥っ子に会いたいよーというほど歓喜しているわけでもありません。
 そういえば、写真の届く前日に、ひどく自己嫌悪するようなことがあって、落ち込んでいたのですが、そうした弱っていた心が、涙に関係あるかどうかわかりません。
 ああ、あんなに小さかった妹が母親に、といった感慨はあるような気はします。妹の初潮の世話をしたのは中学生だったわたしです。わたしの時に心身のケアのへたくそだった母とは違い、そこそこうまくしてあげられたと思っています。
 ただ、この頃よく思うのは、人間も犬や猫、魚や昆虫のように、繁殖して子孫を残し種を保存するために生きている生物の一種なのだなあということ。震災時、危機的状況下においてのみわたし自身に起こった感情の動きから、そんなことをずっと考えています。だから、子を宿した妹の写真は、生物として正しい姿だ、とつくづく感じたりしました。

 それにしても、最近の妹と話していて、わたしと同じ家庭に育ち、「結婚したくない」「子供欲しくない」とずっと言っていた妹の、母性の目覚めっぷりには驚くばかりです。もう、すっかりお母さん。妊娠して、脳内にそういうホルモンが分泌されだしたのでしょう。一般的に、なんだかとてもしあわせな気持ちになると聞きます。人類の神秘です。もちろん、妹を愛し受け入れ支えてくれる夫君の力もあるのでしょう。

 ああ、そうだ、妹の顔がよく双子と間違えられるくらいわたしとそっくりで、一瞬わたしが妊娠してしまったかのように錯覚して、恐怖感に襲われたりもしたのでした。

「こんなふうになるとは思わなかった」と自分でも驚いている妹のように、わたしにも、そんなふうになるとは今は思っていない未来があったりするのかもしれません。

  晴れた日は晴子、雪降りなら雪子 生まぬ子の名を考えており 

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わたしは「クソなんとか」という表現がとても嫌いで耳に障るのだけど、今の職場の上司達は「クソ寒い」とか「クソ忙しい」とかそういう軽い物言いが多くて、空気が合わないな、と思う。若い職場で変なチャラさがあるというか。
 女性上司に至っては、魔女みたいな長さのゴテゴテネイルにタトゥー、大胆に脚を露出したショートパンツやマイクロミニのスカート。別に人のファッションにどうこう言うつもりもないけれど、職場でのドレスコードとしては、今までの職場では禁止されていたような格好。たとえば先月までの官公庁系の仕事では、「職場にふさわしくない服装の例」として掲示されていたイラストそのものだ。
 そうした上司達に、甘えた口調のタメ口で話す下っ端のスタッフさえいて、それが許されている。
 お堅い仕事が好ましい、というわけではないけれど、わたしには馴染めないノリだと感じる。とはいえ、それがつらい、というわけでもなく、それなりに勤めている。

 今の仕事、遣り甲斐もないし楽といえば楽だけれど、一生懸命にがんばるような仕事ではないのに、変に純な同僚さんが一生懸命がんばって空回りしているのが痛々しく見えてしまう。ミスをしたわけでもないのに、自分を責めて落ち込んだりしている。こーゆー仕事、と割り切ればいいのに。
 まじめ、って、痛々しいんだな。周りを見渡せば、教えられることばかりだ。「まじめ過ぎる」と言われたことのあるわたし。昔のわたしも痛々しかったのでしょう。力を抜くことを、今は少しは覚えた。力を抜いてもいいんだってわかって、だいぶ楽になった。仕事も、人生も。

  つらくない仕事はないしつらくない大人もいない日記を閉じる

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春らしい、ピンク色のカーディガンを買った。20代の頃は黒、灰、茶などのアースカラーの服を好んでいた。ピンクなんて、以前のわたしからしたら、思い切った色。何年も前に買ったままだったオレンジ色のアンサンブルも、先日初めて袖を通した。フリルの付いた小花柄のスカートも履けるようになった。
 最近は、服を着るときは明るい色の服を選ぶようにしている。わたしがそういう色を着てもいいんだと、思い直している。昔は、地味なわたしは地味な色しか似合わないような気がしていたのだ。思い切った色も、思い切った服も、思い切って着てみれば、意外と普通に着れていて、なんだか気持ちがいい。

 今日こそはくぞと決めたスカートを鏡に映し照れる膝小僧

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面接の帰り、久しぶりに主にこけしを扱っている民芸品屋さんに寄り、こけしをながめていたら、近くにいたおじいちゃんに話しかけられました。おじいちゃんは、こけしの通らしく、自宅には5000ものこけしを所持しているそうで、こけしの種類の文様の特徴やこけしの材質、「こけし友の会」の話、こけし職人に嫁が不足しているらしい話まで、いろんな話を熱く聞かせてくれました。わたしもこけし好きとはいっても、わたしなんてまだまだな深い世界なのだと感じました。

 久しぶりに来店したら、以前から「欲しいなあ」と思っていたこけしイヤリングが店頭から消えていました。本物の伝統こけしのイヤリングで、とっても可愛かったのに。いつか、いつかなんて思わず、買っておけばよかったです。代わりにイヤホンジャックなどが並んでいましたが、わたしはガラケーなので必要ありません。こうなったら、ちょっと高価だけれどカガモクのこけし箸はなにがなんでも近いうちに購おうと思った次第です。その日は比較的安価なこけしピンズとこけしマスキングテープを購入しました。このお店オリジナルのこけしレターセットもお気に入りで、お手紙を書く際に使わせていただいてます。こけしグッズならなんでもいいというわけでなく、伝統こけしにこだわりがあります。

 もちろん、本物のこけしも欲しいのです。ところが、以前は割合店頭に並んでいたはずの遠刈田こけしがすっかり消え、弥治郎こけしと津軽こけしが少し、そしてずらりと鳴子こけしばかりなのです。鳴子系も定番で可愛いけど、わたしはまずは遠刈田系が欲しいのです。数体あるにはあるけれど、厳選された品なのか手が出ないほどお高くて……その分、とってもとっても可愛いのだけれど。前回来店した時は遠刈田系がいっぱいあったと思うので、そうした波を待つしかないのでしょうか。それにしても、伝統こけしは一体一体顔が違うので、ながめていて飽きません。えじこ(農作業中などに連れて来た赤ちゃんを入れておく入れ物)に入っているこけしもこの頃は好きです。
 ちなみに、アイコンにしているこけしは鳴子こけしですが、目がパッチリしていて顔の系統が鳴子系っぽくないところがお気に入りなのでした。
 
 今さら知ったことなのですが、こけしは、みんな女の子なのだそうです。どうりで可愛いはずだ。
 そして、大本命だった面接は不採用でした。がんばれ、わたし!

  遠刈田こけしの眼こそ良けれ見つめられれば笑みたくなりぬ

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今、ある官公庁系の仕事をしています。覚えなきゃいけないことは難しいけれど、人生や生活に役立つ知識が身につくし、時間や責任に追われることもなく決まった時間をマイペースでやっていけるので、気持ち的には楽ちんです。同僚の方々もマイペースに仕事をしているので、人間関係のいざこざもありません。時には理不尽なクレームを受けることもあり疲弊すると言えば疲弊もしますが、わけのわからないことを一方的にわめき散らす人を電話口で淡々と応対するのが割と苦ではないので、この仕事はそれなりに向いてるんだとも思います。

 わたし達は、決まっていることを決まっている範囲でご案内するのが仕事なのですが、困った人は、それ以上のことを求めてきたり、「なんでそう決まっているのか」と詰め寄ってきます。
 クレーマー気質の人達って、自分のクレーマーっぷりを何故か誇りに思っているふしがあって、謎。自分は自分の納得いかないことは徹底的に突き詰めてやる性分だから!って胸張ってわめき散らしたって、応対する相手側からは「例のめんどくさいアレな人」扱いされるだけです。要注意人物って報告されて、たくさんの人に「ああ、例のあの人」って眉をひそめられたり嘲笑されたりして。自分の主張をすればするほど、本人が自分で思っているところの、「自分は偉い! 自分の考えは正しい!」とは全く別な印象を抱かれてゆきます。
 そして、アレな人ってほんとうにパターンが決まっていて、「上の者に代われ」「謝れ、そしてその証拠を書面で送れ」「お役所仕事」「たらい回し」などと怒鳴り出してきます、皆が皆。「お前じゃ話にならない、別の人(以前応対した人や、もっと偉い人)に代われ」と要求したところで、そういう人は他の誰とも話になりません。そうして、最後には「もういい」「バカヤロー」「そんなこともできないとは情けなくないのか」「裁判を起こしてやる」「お前のいる場所に行って脅かしてやる」などと捨て台詞を吐いてガチャンと切ってきます。一度電話を切った人が、気が治まらずまた電話をかけてきて同じことをくり返したり、他の機関に当たって同じことをくり返すようなこともよくあるようです。「たらい回し」という言葉が飛び出すのもそのせいでしょう。謝罪の書面が大好きなのは、最近よく話題になるモラハラ気質な人の共通点ですが、そういえば前職のパワハラ上司もなにかと「手書きの反省文を書け」と要求する人で、やっぱりアレな側の人だったんだなあとあらためてため息を吐きました。
 クレームをニコニコと流しながら、つくづく、優しさというものの尊さを思います。ああはなりたくない。わたしは心が広く優しくありたい。優しい人が好き。怒っている姿はとにかく恥ずかしくてみっともない。それでも、そういったアレな人達にも配偶者がいたりして、不思議。わたしなら絶対に一緒に生きたくない。きっと、わたしにはわからない良さもあるのでしょう。

 臨時でつなぎの予定だった今の仕事ですが、長期勤務のお誘いをいただきました。なかなか悪くないお話だけど、通勤がちょっと大変なのと、業務の一部を担う今でさえいっぱいいっぱいなのに長期の常勤だとタウンページ2冊分くらいのマニュアルを一ヶ月の研修で詰め込まなきゃいけないっていうのに圧倒されて、今回は辞退することにしました。でも、ずっと募集をしているようだし、他の仕事もしてみて、また戻ってくるのもいいような気もしています。年配の方も多くて、年を重ねてもできる仕事だということが、わたしを勇気づけてくれました。

 職場は、10代の頃に通っていた専門学校の近くで、あの頃の通学路と同じ通勤路を自転車で行けば、様々な思いが過ぎります。道なりに立ち並ぶお店もすっかり変わりました。よく立ち寄ったコンビニも、書店も、パンクを直してもらった自転車屋さんも、今はありません。景色が変わったように、そこで働いていた人達が代わったように、私の仕事も変わっていいんだ、それが普通なんだ、そんなふうに思いながら、自転車を漕ぎます。

  歩道橋を慣れない靴で渡りおり これでよかったこれでよかった

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 今、妹は妊婦さんです。夏頃にはわたしに甥っ子か姪っ子ができ、わたしは伯母さんになります。
 なにしろ遠くに暮らしているので、妹のふくらんだお腹もこの先目にすることがないまま、いきなり赤ん坊が現れたりするのでしょう。
 お互いが独身の時代は、年に一回、予定を合わせて姉妹で温泉旅行に行っていました。気のおけない妹との遠出の旅行は年に一度の楽しみでしたが、妹の結婚、妊娠、出産により、途絶えることになります。おめでたいことではあるのだけれど、毎年の習慣の一つの消えてしまうのは、どこか寂しくも思います。会えなくなるわけではないにしても、幼い子供連れ、旦那さんのご両親と同居では、今までのようには遠出もできないでしょう。わたしも今まで以上に気を遣います。

 年に一度、会う度に「結婚はしない」「子供は生まない」と散々言っていた妹でしたから、両親に孫の顔を見せられるのは出産願望はないとはいえ少なくとも結婚願望はあるわたしの役目なのだろうか、と持ち前の理屈っぽさでずっと考え思い悩んでいました。けれども、妹は長年お付き合いしていた恋人ときっちり30歳前の29歳には入籍し、30歳には結婚式を挙げ、31歳には両親に孫を抱かせてあげることになりました。
 非正規の職をふらふらしているわたしとは違い、これまで正社員でちゃんと働いていた妹。正直、引け目を感じないでもありません。妹が自分の結婚や出産に否定的なことを言う度、それぐらいは姉のわたしの方が先に成し遂げてやりましょう、と心のどこかで安心している自分もいました。でも、結局は人生において妹の方がほとんど先輩となることになりました。顔がそっくりのため、これまでは双子に間違われることも多かったわたし達ですが、今後は人生経験を重ねた妹の方が姉で、いつまでもおぼこいわたしの方が妹に間違われることもあるかもしれません。
 尤も、妹があれほど嫌がっていた結婚や出産に前向きになれたことはよろこばしいことで、なにか心境の変化があったのかもしれないし、ホルモンの影響かもしれないし、今は「子供なんて考えられないなあ」と思うわたしも30歳前後は妙に子供が可愛く見えたし、閉経間近の40歳頃に子供が欲しくてたまらなくなるように女性の体ができている、なんていうのもよく聞く話です。

 男の子か女の子かもわからない、未だ生まれざる子ですが、ゆくゆく言葉を話すようになった際には「おともちゃん」だとか「仙台のおねえちゃん」だとか変に呼ばせずに、普通に「伯母さん」と呼んでもらうつもりでいます。いつまでも少女のような心を持っていたって、客観的にはもう普通にオバサンですもの。

  おめでとう幸せにって心から思っているよ でもさびしいよ

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 里芋と豚肉の煮物。味付けは山形の芋煮風。色みにオクラも入れてみました。意外に合いました。

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プロフィール
HN:
おとも
性別:
女性
自己紹介:
歌集『にず』(2020年/現代短歌社/本体¥2000)

連絡・問い合わせ:
tomomita★sage.ocn.ne.jp
(★を@に変えてお送りください)
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