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川が好き。山も好き。
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『また巡り来る花の季節は 震災を詠む』(講談社)という本に短歌を掲載していただきました。短歌と短文、本の帯にも短歌を載せていただいているようです。まだ現物を見ていないのですが。昨年のハートネットTV「震災を詠む2013」の書籍化になります。タイトル、いいですね。

  「たすけて」と言えれば会えたかもしれぬ夜に一人で過ごす避難所

 こうした歌を、詠まずに済めばよかった、と思うのです。被災した当時、なんであんなに自分の不安を押し殺して気丈にふるまえたのか、不思議でなりません。避難所でも、自宅でも、余震の中一人で、どうして誰とも言葉を交わさず一人で過ごせてしまったのか。
 あの頃は、自分が無事であるということがただただ幸運でありがたくて、わたし個人のかなしみというものを見失っていたのかもしれません。また「震災のごたごたが落ち着いたら、以前のような日常に戻るから、だから今は少しつらくても大丈夫」そんなことを信じていたのでしょう。2011年の春、わたしは変に元気でした。

 三年経って、傷は癒えるどころか膿んできたような気さえします。あ日のまま、立ち止まったまま、前に進めないのです。
 震災前のわたしはしあわせで、それまでの人生の中で一番しあわせで、好きな仕事ができて好きな場所に行けて好きな人達に囲まれて、このまましあわせになってゆくものだと思っていました。

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無題
私が辛い時におともさんは「自分の心を大事にしてください」とよく言ってくれましたね。

どうすることが大事にすることかずっと考えていたのですが、最近、私にとっての「自分を大事にすること」は自分の力を信じてやることかなと思い始めました。

望む自分になれると信じること、大丈夫だから行っておいでと背中を押してやること、心の中に親の自分と子供の自分がいるようです。

幸せの形が人それぞれであるように、自分への接し方も様々ですね。

おともさんにとっての「大事にする」ってどんなことなのでしょうね。
砂名 URL 2014/03/06(Thu)07:45:40 編集
Re:無題
わたしにとっての「自分を大事にする」は、自分の心に嘘をつかないことかな、と思います。
自分でも、自分の心に嘘をついてるって気づいていないこともあります。
そうして、大切な人達に嘘の自分で自分が伝わってしまうということは、とてもやりきれない。
素直な自分でいたいと思うのでした。

自分の力を信じてやることも大事ですね。
信じる力で、望む自分にきっとなれるのでしょうね。
【2014/03/06 10:20】
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おとも
性別:
女性
自己紹介:
短歌とか映画とかこけしとか。
歌集『にず』(2020年/現代短歌社/¥2000)

連絡・問い合わせ:
tomomita★sage.ocn.ne.jp
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